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陰の末路

前回のあらすじ


恋の病にかかりました。治療不可です。

 テザーは、路地裏に捨てられていた。

 その身を包むのは、純白のドレスではなく、白濁。

 捨てられてから、ニ、三日は経っているだろう。朦朧とする意識の中、テザーは靄の掛かった視界で辺りを見回す。

 愛しい浮浪者は、どこへ行ってしまったのか。

 また失ってしまったのだろうか。

 果てしない悲しみに襲われる。

 と、そこへ不意に手が差し伸べられた。

 タキシードに身を包んだ、中年の紳士だ。

「いかがなされましたか、お嬢さん」

「……」

 優しげに細められた瞳が、眼鏡越しにのぞく。整えられた白いヒゲは、どこか可愛げを醸し出していた。

「――いて……」

「?」

「抱いて……ください……」



 紳士の屋敷に、テザーは居た。

 彼の沢山の恋人の中の一人として。

 あと少しで、テザーの順番が回ってくる。

 三日ぶりの夜伽だ。

 彼の太い腕を思い出すたびに、胸が高鳴る。

 恋は盲目。

 テザーの瞳には、何も映っていなかった。

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