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天翔ける龍  作者: たたみ
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(8)

タマミさんが目を閉じる。

頭の中で声がする。


「ごめんなさいネ。彼女の身体を使うのはケッコウ大変なの。

このままでお話させてね。」


“彼女の身体”というからにはタマミさんとは別のモノなのか?


「アナタは誰なんですか?タマミさんではないのですか?」


「私はあの龍の伴侶よ。まだ一度も会った事はないけど。」


「きれいなコスモスをありがとう。実はね、あなたの事見てたのよ。

おねだりしたらちゃんと買って来てくれて嬉しかったわ。」


彼女の“気”は年齢相応の落ち着いた老婦人の時もあれば好奇心旺盛な少女の

ようでもあり不思議で魅力的だった。


「私が何であるかが判ったのも、コノ便利な力を使えるようになったのも

“ヒヨシタマミ”の意識がこの身体からいなくなってからなの。」


「彼女の心臓が止まった時、私もまた別の世界の女性の身体の中に入って

その彼女と一生を過ごす。そうやって蓄えた“心”を宇宙誕生の時に放つの。

あなた、宇宙はねエネルギーだけでは出来ないのよ。」


頭の中に黒い空間。爆発。光に満たされた世界。やがて光の密度の濃淡が現れ、

それはより偏り…。ビッグ・バン!これは宇宙創生のイメージなのか?

この2人の出会いがもたらすものは、地球の消滅どころじゃない!

この宇宙のリセットなのか?


「大丈夫よ。まだ、その時ではないわ。だって、

まだ“心”は十分に貯まってないもの。

だから、安心して。あなたの地球は消えたりしないし、

イシカワさんもAちゃんも大丈夫よ。」


また、覗かれた。仕様がないか。

これだけ力の強いモノたちだもの。意識せずとも見えちゃうのだろう。

ボクもイシカワさんや女の子達の考えは意識せずとも飛び込んで来るのだし。


「ごめんなさい。気を悪くしないでね。」女性の龍が言う。


「いいえ、気にしてません。ボクも安心しました。

では、残る問題はアナタのダンナさんの方なんですけど、

彼に会ってもらえませんか?直接会うのはモチロンだめですが

彼がアナタの事だけを考え一人ぼっちでいるのは可愛そうです。

せめて声だけでも聞かせてあげられませんか?

今のアナタの能力なら出来ると思うのですが…。」


「私も会いたいわ。でもね、アナタと彼のファーストコンタクト見ちゃったのよ。

私もハダカにされちゃいそうでコワイのよ。判ってくださる?」


そういう事か。アイツならやりかねない。


「判りました。彼にはボクから話しておきますし、ボクも付き添いますから。」


「そういう事なら…。」


キューピッド・ナカムラ行ってきまーす!


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