4話:試練③
【ステータス】
名前:鳴海 幸
レベル:1
体力:20
魔力:9
精神力:5
筋力:25
耐久力:10
敏捷:30
ステータスポイント:0
休憩を交えつつ50体のゴブリンから魔石を抜き取ったあと、ステータスを振り分けた。何が起こるか分からないので敏捷以外のポイントも上げておいた。そろそろだと思い立ち上がると試練開始の画面が現れた。
【試練を開始します。】
レベル6:ゴブリン100体
※ゴブリンのレベルが3に上がります。
「やっぱまだ上がるんだ...。」
今度のゴブリンは体長180センチはありそうだ。体もムキムキで筋骨隆々といった感じである。
さっきと同じでゴブリンと距離を取りつつ集団から離れたゴブリンを狙って攻撃していく。
「いや、筋肉つきすぎだろっ!!」
一応切れるには切れるが筋肉が分厚すぎて断ち切れない。このままではまたすぐ剣が使い物にならなくなりそうだ。それに一体に手間取るとその間にすぐ他のゴブリンに囲まれてしまう。
敏捷を上げているおかげでそう簡単には攻撃に当たらなくなったが、一撃で倒すことが難しく、囲まれないようにずっと走り回ってるので体力が1番キツイ。今にも口から心臓が飛び出てきそうだ。
(あー、こういう時に魔法が使えて一気に倒せたら楽なのに。魔力があっても魔法の使い方が分からねぇ〜。)
馬鹿なことを考えながらも一体一体倒していく。
ゴブリンを倒して奪った弓矢で試しに撃ってみると、思ったより命中率が良かったのでこちらも攻撃手段に加えることにした。剣で近くのゴブリンを倒しながらたまに弓矢で遠くのゴブリンの頭や手足を射抜く。1発で仕留められなくても弱らせるだけでもだいぶ違う。
「あれ、俺結構弓の才能あるんじゃね?」
今のところ命中率80パーセントで、しかも動きながらである。
「あと10体!」
やっと終わりが見えてきたので少し息を整えてから一気にゴブリンの方へ突っ込む。まずは今まで通りまだ無傷なゴブリンには足を狙って機動力を奪い、隙を見つけて胸や首、頭などの急所を狙って攻撃する。もちろんゴブリン同士の相打ちを狙うことも忘れない。
「これで最後っ!」
ラスト1体を切り伏せてそのまま地面にぶっ倒れる。
「ぜぇっ、はぁっ、キッツ......!」
疲労度が限界に達し、もう一歩も動けそうにない。
「やば、意識落ちそ...。」
ここで眠るのは危険だと頭では分かっているのだが、戦闘による極度の疲労とここ最近の無理な残業と、少ない睡眠時間がたたって目を開けていられない。次の瞬間にはもう意識は深くまで落ちてしまっていた。
「ハッ...!」
あれからどのくらいだったのだろうか。いつの間にか眠ってしまっていたが、やはりステータスポイントを振り分けないと次の試練は始まらないらしく、最後のゴブリンを倒した時のままだった。
「やべ〜、本当に眠っちゃうとは...。でも眠ったおかげでだいぶスッキリしたな。まあ、目覚めは最悪だが。」
自分でもよくこんなゴブリンの死体に囲まれた状況で寝られたものだと感心する。辺り一面濃厚な血の匂いが漂ってるのにもう鼻もほとんど麻痺しているようだ。
「しっかり休息を取れたわけだし魔石を集めてすぐ次のレベルに行くか。」
それから100体のゴブリンの死体から魔石を集め、辺りがだいぶ死体で足の踏み場がなくなってきたので少し場所を移動した。そしてステータスポイントを振り分けてレベル7の試練に挑戦した。同様にレベル8、レベル9も息も絶え絶えになりながら何とかクリアし、次はとうとう最後のレベル10まで来た。
体には多くの切り傷や青あざができ正直言って万全な状態とは言えないが、回復薬なども無いためこのまま挑戦するしかない。
「ステータスオープン!」
【ステータス】
名前:鳴海 幸
レベル:1
体力:400
魔力:189
精神力:290
筋力:400
耐久力:400
敏捷:400
ステータスポイント:0
「最初のオール1のステータスと比べると壮観だな!さっきは1000体も出てきたし最後は何体出てくるんだ?」
レベル9の時は1000体のゴブリンが出てきて、中には魔法を扱うゴブリンも複数体いた。精神系の魔法を扱うものもいてだいぶ苦労させられたので今回は精神力にもポイントを割り振ったのだ。
【試練を開始します。】
レベル10:ゴブリン9999体
※ゴブリンのレベルが5に上がります。
別途ゴブリンロードが一体出現します。
最後の試練を知らせる画面が表示されると同時に辺り一面に数え切れないほどのゴブリンが出現した。体躯が100センチほどの小柄でヒョロイゴブリンから2m超えのガチムチなゴブリンまで多種多様だ。そしてその一番後ろには5m程の巨体を、一緒に出現した真っ黒な風格のある椅子に鎮めてこちらを見下ろしているゴブリンがいた。恐らくあれがゴブリンロードだろう。他のゴブリンとは見た目もオーラも全く異なっている。
「あれを倒すとか...冗談だろ...?」
こうして最後の試練が幕を開けた。




