夕方の営業(常連客編、その19)
物語は前回の続編になります
さてさて、時計の針は18時を回り、
小料理屋アコには賑やかに
色々な話に花を咲かせているその時
山武【こんばんは~アコさん】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて
入ってくる
アコ【武ちゃんいらっしゃい】
広志【いらっしゃい】と
声をかけていると、
それに続いて
周藤【こんばんは~】
早川【こんばんは~】と
続いて入ってくる
アコ【あらっこんばんは
いらっしゃいませ
こちらにどうぞ】と
テーブル席にご案内する
山武【お邪魔します】
哲男【武さんお疲れ様です】
洋之【武さんお久しぶりです】
和邦【お久しぶりです】
山武【お疲れさま~今日は
島広戦ですか~】とカバンを
椅子に置いてテーブル席に
腰を下ろして座っていく
哲男【今日勝てばAクラスですからね
~】と嬉しいそうに
話しながら食べている
山武【良いな~ウチなんか
定位置から動かないですから】
アコ【それは良いけど、ながら食べは
止めなさいね】と
哲男をじっと見つめている
哲男【はい…】と再び冷や汗が…
幸 【お母さん、ほどほどにね】と
コップに水を入れて
山武のテーブル席に置いていく
山武【さっちゃんかい!久しぶりだね~
大きくなって元気かい!】
幸 【お久しぶりです!パン屋さんで
パンこねてますよ】と
にこやかに話している
山武【この二人は会社の後輩達、
時々こうやって
来ているんだよ】
周藤【こんばんは~】
早川【こんばんは~】と二人共に幸に
軽く会釈しながら挨拶している
幸 【いらっしゃいませ!
あと、こちらおしぼりになります】
と渡している
山武【ありがとう】
周藤【ありがとうございます】
早川【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【ところで今日は何にします?】
哲男【今日は絶対日替わりっすよ
~】と二人にみせながら
話すと
山武【おっ!良さげですね~】
周藤【確かに良さそうですね】
早川【じゃあ私はそれにしよう
かな…】
広志【イワシは漬けにしてあるけど
大丈夫かい】
早川【大丈夫です!日替わりで
お願いします】
周藤【僕も同じで…】
山武【俺も同じでとプラスで
いつもので】
アコ【は~い、ありがとうございます!
お父さん】と合図を送る
広志【はいよ~】と調理に取りかかる
山武【そうしたら、ワコさんところで
飲み物預けてあるから
行ってこなきゃと】
アコ【行ってらっしゃい】
山武【お願いします】と足をワコの
店に向けて行った
周藤【この店って何か
落ち着きますよね~】
早川【実家で食べるご飯の様な
感じするんですよ~】と二人は
朗らかに話している
一方その頃の3兄弟はテレビの野球中継を食い入る様に見つめている
日替わりは食べ終わり、
後は揚げ出し豆腐だけなのだが…
アコ【あんたたち!早く食べないと
冷めちゃうわよ】
哲男【アコさんすいません!
今、良いところなんですよ~】
アコ【そういう問題じゃあ…】と
テレビに視線を向けていくと
実況【試合は両チーム無得点、
プーカ対アトムスの第10回戦
試合の展開は3回の表
アトムスの攻撃中で2アウト
満塁で打者は“ナスオ”
投手は先発の“サンネイ”
振りかぶって投げました!
ナスオ打った~打球は詰まって
詰まってライト線ギリギリの
所、どうた~落ちました
フェアですフェアです、
ボールは転々としている間に
3塁走者の“東川”ホームイン、
2塁走者の“岡長”も続いて
ホームイン、今、ライトの
長末追いついて捕球した所
なんですが、1塁走者の山根は
三塁滑り込んでセーフ‼️
アトムス先取点です
スコアは2対0です】
哲男【ナスオ~ありがとう~
良くやった~】と拍手している
洋之【哲男さん、
まだ攻撃中ですから】
和邦【そうですよ!】とたしなめる
周藤【すいません】
アコ【はい】
周藤【あの3人は】
アコ【すいませんね~いつも
ああ~なんですよ】
早川【負けると機嫌が
悪くなるとか…】
アコ【それはないですね!
そんなことしようものなら
出禁ですから】
哲男【そうっすよ!勝っても負けても
応援するのがファンとしての
矜持っすよ~】
広志【哲男君、矜持なんて難しい
言葉知ってるんだな~】
洋之【社長が、矜持を心を
持ちなさいと口癖の様に
言ってまして…】
和邦【そうそう、耳にタコが
出来るくらいに】
広志【社長も自分に矜持を持てよと
言っておいてよ】
哲男【それは言えないっすよ~】と
話すと皆が笑っている
さあ、今宵は果たして
どうなっていくのでしょうか
夜も更けてまいります




