昼終わり前のやり取り
さてさて時計の針はもうすぐ13時20分になろうとしていたその頃、
小料理屋アコの昼営業は
桜木が会計を済ませて店を
後にしようとしていた
桜木【ごちそうさまでした!
アドバイスもありがとう
ございます】と軽く会釈
しながら頭を下げている
広志【同じ話で恐縮なんだがな、
こんな店で良ければ
夜の営業にも来ればいい、
あまり遅くは
やっていないけど】
アコ【やかましいメンバーばかり
なんですけどね、常連客には
トルクヤの熱狂的ファンが
いましてね~
それにしても幸遅いわね】
そうすると猛ダッシュでカメラを
持った幸が店のドアをガラガラ
と開けて暖簾をくぐって入ってくる…幸はハーハーと肩で息をしていた
幸 【お待たせしました】と桜木に
カメラの写りましょうよを
差し出している
広志【間に合ったか…】と安堵した
様子を見せている
アコ【さあさあ、ご両人さん
並んで並んで】と満面に笑みを
浮かべて二人を近付けて
並ばせている
幸 【ちょっと、お母さん…
隼人君…じゃなくて桜木さん
すみません】と
顔真っ赤にして混乱している
桜木【いや、こちらこそ】と
こちらも顔真っ赤にしている
広志【ここまであからさまとは…
これで良く芸能界やって
これたな…ただ、優柔不断な
所が人気のだろうな】と
頭をポリポリ掻きながら
心の声でぼやいている
アコ【は~い、それでは撮りますよ~】
とカメラを二人に向けて
アコ【はい!チーズ!】と
シャッターを切る
アコ【はい!ありがとうございます】
幸 【ありがとうございます!
宝物にします】と憧れの人と
ツーショットを撮ってもらい
嬉しくてたまらなく興奮している
が、それを必死に隠そうと
装っている
桜木【こちらこそありがとう
ございます!
また、会えますか?】
幸 【あっ…えーと…あの~】
桜木【難しいですかね】と
少し落ち込むふりをしている
広志【桜木さん、娘をからかわない
ようにな!もし逢いたいなら、
○○アミーというパン屋に
行けばそこにいるから】
アコ【毎日逢うならですけどね】
桜木【パン屋さんにお勤めなの
ですか?】と幸の方に
視線を向けている
幸 【はい!そうです、まだまだ
ですけどパンをこねたり
しています】
桜木【オススメはなんですか?】
幸 【そうですね~サンドウィッチと
いなり寿司のセットでしょうか、
ちなみに桜木さんは、どんな
パンがお好きなのですか?】
桜木【僕は、惣菜パンが
好きでして…】
幸 【それならインドサンドは
いかがですか?
最近ではカレー以外も
色々試しているので】
桜木【それはとてもおいしい
そうですね!
ありがとうございます!
必ず寄らせていただきます!
それでは失礼します】と
軽く頭を下げて、
そう言って店のドアを
ガラガラと開けて暖簾を
くぐって後にする
広志【ありがとうございました~
またどうぞ~】
アコ【ありがとうございました~】と
桜木が見えなくなるまで見送る
幸 【ありがとうございました】と
手を振っている
桜木【楽しみが増えた】と
歩き出して行きました
さてさて、暖簾を下げて
店に入れるアコ、札も休憩中に代えて入口のカギを閉める、
広志が調理場の後片付けしながら、
皿洗いをしアコはテーブルに
残った皿やコップを集めたり、
拭いたりしている
広志【今日も相変わらず
忙しかったな~】
アコ【ありがたい事ですよ、
まさか最後に滑り込んだ
桜木さんというのも
驚きましたが】
幸 【お父さん、お母さん…
本当にもう~】
広志【良いじゃないか!
彼にとっては癒しの一時
なのかだから】
アコ【そうですね~あらっ!
もうこんな時間、
私達も早く片付けて
お昼食べましょう、
もうお腹ペコペコよ】
広志【はいはい】
さて、三人は賄いである
今日の日替わりを食べている時の
やり取り
広志【思ったよりも良いな~これ】
アコ【そうですね~】
幸 【おいしい~】
広志【冷やし中華も違う
バリエーションも
必要なのかもな~】
アコ【普通の冷やし中華も
良いと思いますけどね】
幸 【それよりもカメラ持ってきてと
言われた時は焦ったわよ~
何するのかと思ったら隼人君
とのツーショットなんて】
広志【良いじゃないか~
宝物にしろよ!】
アコ【そうよ~桜木さん幸のお店にも
ちょくちょく寄るかも
しれないわよ】
幸 【そんな事あったら、
仕事手につかないわ】
アコ【あらら…】
広志【なるようになるさ】
アコ【そうね~しかし、
あんなに分かりやすい人
だとわね】
幸 【へっ!】
広志【あの週刊誌の記事は宣伝の為
という事だ…】
アコ【相手の子にも恋人いる
ようですしね】
幸 【そうなの?それなら良かった~】
とほっとなで下ろしている
広志【さてと、ごちそうさまでした】
アコ【おそまつさまでした】
幸【ごちそうさまでした】
広志【洗い物して、
少し仮眠とるか…】
アコ【そうですね、休まないと
身体が持ちませんものね】
幸 【私もパンの試作品考えないと】
そして各々夕方の営業に備えて、
つかの間の休息に入ったのでした




