再び現れる予期せぬお客さん
さてさて時計の針はもうすぐ13時に
なろうとしていたその頃、
小料理屋アコの昼営業は
お客が会計を済ませて店を後にする
客一【ごちそうさまでした~
また来るよ~】
広志【ありがとうございました~
またどうぞ~】
アコ【ありがとうございました~】と
お客が見えなくなるまで見送る
広志【それじゃあ、ぼちぼち閉める
かね】と後片付けしながら
話している
そうしていると反対側から
桜木【すいません!
まだ、大丈夫ですか?】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて、
店の中の様子を伺っている
アコ【大丈夫ですよ?どうぞ】
桜木【ありがとうございます】と
店に入りカウンター席に
座っていく
広志【毎度!いらっしゃい!】
アコ【はい、どうぞ】と
水をカウンターに置く
幸 【いらっしゃいませ…隼人君だ!】
と驚きの表情を隠せない
広志【アコ!あがったよ‼】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【は~い‼よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま
めしあがれ】とカウンターに
置く
桜木【はい!いただきます】と
割り箸を割り一口食べると…
桜木【美味い!】と満面に笑みを
浮かべている
アコ【それは良かった】
桜木【ここに来るとほっと一息
つけます!
しかし、今日は珍しい
料理ですね】
広志【ウチではたまにだけど麺類も
出しているんだよ】
桜木【そうなんですか?
それは色々と食べてみたい
ですね~】
アコ【今日はこちらで
お仕事なのですか?】
広志【アコ!余計なお世話!
クビを突っ込まない!】と
後片付けしながら
アコ【もう何度も来ているなら
常連さんみたいなもの
じゃないの】と皿を洗い
ながら話している
広志【毎回すみませんね、
スルーして大丈夫なので】
桜木【ええ~近頃こちらの近くで
色々撮影しているのですが
トラブルが発生して
しまいまして、
その結果押してまして】と
少し苦笑いしている
広志【それで最近来る様になってたと
いうわけか】と後片付け
しながら話していると
アコ【有名人も大変なのですね】と
テーブルを拭いている
広志【忘れてましたが、
そこにいるのがウチの娘ですよ!
前にも話した事あるかも
知れませんが、
あなたのグループの
ファンの様でしてね】
桜木【こんにちは…あの子だ…】と
こちらも驚きの表情をしている
幸 【あ…あの…握手してもらって
良いですか?】
桜木【……僕で良ければ…】と
まるで時が止まったかの様に
幸を見つめている、
それはまるで自分の埋まらない
空白を埋める様に
それを横目に広志とアコは奥で
皿を洗ったり拭いたりしている
アコ【まるであの曲が頭から
離れなくなるわね~】と
小声で話している
広志【中野森明菜のアレか
じれったい~じれったいか】と
小声で返している
3分後、そして幸と桜木ら握手を交わしている
広志【お二人さんよ申し訳ないん
だけどさ、
桜木さんよ!料理冷めるぞ】
桜木【はっ!すみません】と手を離して
再び食べはじめる
幸 【後で、サインもらっても
良いですか?】
桜木【はい…それは大丈夫ですけど】
広志【幸~なんなら写真撮るから
家からカメラ持って来てくれ】
桜木【えっ!】と驚いた表情で
アコ【店に飾る事はしませんよ、
ツーショットですから】
幸 【分かった!】そう言って
店のドアをガラガラ
と開けて暖簾をくぐって
家へとカメラを取りに戻って
足を運んでいる
広志【それに君の本命は幸の様に
見えるんだが】と椅子に座り
腕を組みながら鋭い目で
聞き出そうとしている!
それはまるでどこかの
アニメに出てくる園長先生の
様に
桜木【……】まるで何で分かるのだと
唖然としている
ここで言わないと
生きて帰れないと悟っている
広志【そんな分かりやすい
反応しなくても】
アコ【前にも話しましたけど
正々堂々しなさい!
何か言ってきたら
受けて立つわよ!】
広志【メディア媒体の扱いなんて
簡単だからな…】
アコ【何事もきちんと伝えた方が
良いと思いますよ!】
広志【何かあるなら言ってきな!
売られた喧嘩は買いますとね】
桜木【ありがとうございます】
何者なんだと思いつつも
再び箸を動かして
食べ進めていき、しばらくして
食べ終えたのであった




