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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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66/165

夕方の営業(常連客編、その16)

さて時計の針はもうすぐ15時30分に

なろうとしています、

仮眠をとったアコと広志は夕方の営業に向けて準備を進めています

そんな時に思わね訪問者が…


佐藤【こんにちは~】と暖簾をくぐり  

   店のドアをガラガラと

   開けて入ってくる


アコ【すいませ~ん、まだ開店前

   でしてってあらっ!

   自治会長さん】


佐藤【悪いね、営業前の忙しい時に】


広志【今年も例の件ですか?】


アコ【まぁ、どうぞ】と

   椅子を引いている


佐藤【ありがとう】

   そう言って椅子に座る


アコ【今年もお祭りの出し物ですか?】  

   そう言ってお茶を淹れる


アコ【どうぞ】と佐藤の前に置く


佐藤【ありがとう】

   そう言って一口すする


広志【それで今年は何にしようか

   相談ですか…】


佐藤【そうなんだけど】


アコ【昨年は焼き鳥でしたけど、

   今年は違うのにという

   事でしょうか】


佐藤【いや、焼き鳥もいいんだけどさ 

   ~運動会の時の唐揚げが

   結構評判良くてね~】


アコ【それで唐揚げをと

   言うわけですね】


広志【唐揚げか~多少タレとかも

   考えてみるか、

   後は例年通りですかい】


佐藤【そうだね~焼きそばに

   フランクフルトにかき氷に

   枝豆ってところだろうな!

   あと舞台作らないと

   いけないからさ】


広志【そうしたらまたガスの申請して

   おかないとかないと

   いけないな~】


アコ【そうですね~】


佐藤【それでは今年はそれで

   お願いしますね~

   それでは失礼します】

   そういって店のドアをガラガラ    

   と開けて暖簾をくぐって

   後にした


そして、時計の針は進み17時を回り、夕方への営業の準備万端が整った

その頃、近くの公園で賑やかに

遊んでいた子供達がそれぞれの

家に帰ろうとしていたその時…


哲男【こんばんは~大将に

   アコさ~ん】と暖簾をくぐって

   店のドアをガラガラと開けて

   大きな声で店に入っていく


和邦【こんばんは~】


洋之【こんばんは~】


アコ【いらっしゃい!いつもので

   いいのね!】


3人一斉に【お願いしま~す】と

     言いながら

     いつもの指定席の

     テーブルにそれぞれ

     座っていく


アコ【お父さ~ん

   日替わりと揚げ出し豆腐

   3つお願い】


広志【はいよ!】

   そう言って調理を始めた


哲男【あ~疲れた~】


アコ【この前はありがとね~

   助かったわ~】と話をしながら  

   コップに水を入れてテーブルに  

   それぞれ置いていく


洋之【いえいえ、その分打ち上げで

   いい思いさせてもらいました

   から】


和邦【そうそう】


アコ【その前に、はいおしぼり】と

   渡している


哲男【ありがとうございます】

洋之【ありがとうございます】

和邦【ありがとうございます】と

   それぞれ受け取り

   手を拭いたりしている


哲男【そういや社長から

   大将に伝言っす】


広志【伝言って貸し借りなしの話かい】 

   と調理しながら話していると


哲男【違いますよ~】


アコ【そうしたら何の話なの?】


哲男【ウチの会社、定期的に親睦会を 

   やっているんすけど…】


洋之【焼肉とかバーベキューとか

   ですね】


和邦【ただ、それもマンネリ化

   してきてましてね】


哲男【それで何か案はないかと

   聞いてきてくれと、

   どうせ行くんだろうからって】


広志【相変わらずだな~社長!

   いきなりかい】とぼやきながら

   調理に手を緩めず動かしている


アコ【“ちゃんちゃん焼き”とか

   スペアリブとか焼き鳥とか

   やらないの?】


哲男【スペアリブ?】


広志【骨付きの豚肉だよ!でも女性も

   いるなら毎回肉というのもな~】  

   と調理しながら話している


アコ【ちゃんちゃん焼きなら

   良いのかもよ?】


哲男【ちゃんちゃん焼き?

   何すかそれ…】


洋之【聞いたことないですね】


和邦【何ですかそれって】


広志【北海道の料理でね、

   鮭をさばいて周りを野菜と一緒 

   に炒めるんだよ!そこに麺類と

   一緒にしても良いし美味いんだ 

   よな~ただ、あれだけの鮭は

   なかなか手に入らなくて

   事前に話しておかないと

   昨日の今日そう簡単に

   頼めるもんでもないからな~】  

   と調理しながら話していると

   

アコ【忘れてたわ、はい!お通し】と

   それぞれに置いていく


哲男【レバーの煮付けっすか】


アコ【そうよ!夏バテの初期予防よ!】 

   と少し得意気に話している


広志【そんなに意味ないぞ~

   健康には良いけどな~】


アコ【お父さん…】


哲男【アコさんにも知らない事

   あるんですね~】と

   少し笑っていると


アコ【て・つ・おさん!後で

   お酒飲みながらゆっくり

   お話しましょうね】と

   満面に笑みを浮かべて

   哲男に語りかけている


哲男【……】大量の冷や汗を掻き

  首を横にプルプルと振っている


広志【哲男君!気にしない気にしない】


広志【それよりアコ、上がったよ】と 

   出来上がった料理を

   盛り付けている


アコ【はい!よっこらしょ】と

   おぼんを持ち上げて運ぶ


アコ【はい、おまちどおさま!

   めしあがれ】と

   それぞれのテーブルに

   置いていく


哲男【はぁ~お待ちかね、

   今日も良いね~ヤバイね~】


洋之【ありがとうございます!

   いただきます】と割り箸を

   割ってから手を合わせて


和邦【いただきます】


哲男【今日の日替わりは】


アコ【“3種の刺身”と“肉野菜炒め”ね!

   後はいつもの揚げ出し豆腐で

   しょ】


洋之【久々の定番だ~】


和邦【肉野菜炒め久々です】


広志【そんなに嬉しいものかね】


洋之【大将のは肉多めなので

   ありがたいんですよ~】


和邦【そうそう、あれこれ栄養

   考えなくてすみますし~】


各々が食べ始める…


哲男【うまい!今日も安定の味っす!】


洋之【本当ですね~】


和邦【落ち着きます】


広志【はいよ、揚げ出し豆腐

   おまちどおさま】


哲男【大将ありがとうございます

   今日も名物にありつけました】


今宵もお店な賑やかな?

一日になりそうです



今回からの登場人物ーーーーーーーー


佐藤(さとう) 栄作(えいさく)…60歳

元サラリーマンで定年退職後の今年から

自治会の会長を勤めている


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