お昼の営業(常連客編、その1)
さてさて仕込みが終わり時計の針は
11時半を回り、小料理屋アコは昼営業の開店準備をしていたその時には、
お客がちらほらと…
ちなみにメニューは日替わり定食のみである
ただ、単純にお客が考えなくても良いようにか面倒くさいかは神のみぞ知る
相木【こんちは~アコさんまだ~】と
暖簾をくぐって
店のドアをガラガラガラと
開けて入ってくる
アコ【あなた達!まだ開店前!
早すぎるのよ~】
若干あきれた感じで話している
浮田【今日は朝から忙しくて
腹ペコなんすよ~】
アコ【何わともわれ早すぎよ!
もう少し待ちなさい、
いいわね!】
相木【少し位…】
アコ【だだこねないの!】
広志【アコ~いいぞ!少し早いけど、
飯と汁物頼む】
アコ【はぁ~じゃあ開店です】と
威勢のいい声で
広志【はいよ!】と威勢のいい声で返す
アコ【はい!いらっしゃい!】と
店のドアを開ける
相木【あぁ~腹へった~】
浮田【本当にもうペコペコだよ~】と
それぞれカウンター席に
座り始めている
アコ【はい、おしぼり】と渡している
相木【ありがとうございます】
浮田【ありがとうございます】と
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
広志【アコ!あがったよ‼】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【は~い‼よっこらしょっと】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま
めしあがれ】
榎本【こんにちは~】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラガラと開けて、
店の中の様子を伺っている
アコ【はい、えのちゃん
いらっしゃ~い】
相木【今日のメニューは】
アコ【゛レバー炒め゛に゛豚汁゛に
゛白菜漬け゛ね】
浮田【レバー炒めって
珍しいですね~】
アコ【あなた達、レバニラや焼き鳥の
レバーは食べるのに
他の物には目を向けないからね
~本当はサラダにしようかと
思ったんだけど手間も
かかるし、ちょうど新しいの
漬け始めたばかりだし
毒味を兼ねてもらおうと
思いましてね~】と水を入れて
テーブルにそれぞれ置いていく
榎本【毒味って】
浮田【あっさりかしっかりかの
違いっすね】
各々が割り箸を割り、
白菜漬けを一口食べて…
相木【うまい‼】
浮田【うまいっすね】
榎本【しっかり漬けてますね~
美味しいです】
アコ【そうでしょ~しっかり食べて
昼からもしっかり働くのよ‼】
相木【はい‼】
浮田【はい‼】
榎本【しっかり働きます‼】と
もりもり食べていると…
鴨居【こんにちは~今日も盛況ね~】
紀村【本当ね~】
久藤【入れるわよ】
小糸【お邪魔するわね】と
暖簾をくぐって店のドアを
ガラガラと開けて
ぞろぞろと入ってくる
アコ【あらっ、゛みなさん゛
久々ですね~元気に
されてました?】
鴨居【元気も何もないわよ、
私達病院の帰りなんだから】
アコ【病院って…あぁ~今日は
リハビリの日だったんです
か…、最近の病院はみんな
混んでるから
予約していかないと
いけないわね~】
紀村【最初はね】
久藤【お会計の時に次はいついつに
しますかってね~】
小糸【おかげさまで先手取られている
気がして癪に障るけど
仕方ないわ】とそれぞれ
カバンを下ろして
テーブル席に座り始めている
アコ【ところで、ご飯食べて
いかれますか?】
鴨居【当然よ!日替わり4つね‼】
アコ【はい‼ありがとうございます‼】
それから、様々なお客様がご来場して、美味しいお昼を食べて
みんなエネルギーチャージをして
昼からの仕事に向かっていったのでした
今回の登場人物----------
相木 登史…27歳
近くにある製薬会社の倉庫で勤務している
浮田 治弥…27歳
相木の同僚で同じく近くにある
製薬会社の倉庫で勤務している
榎本 伸吾…29歳
鉄鋼メーカーの営業マンで
あちこち飛び回っている
鴨居 百合…67歳
団地(1号棟の102号室)に夫と共に暮らしている、子供達は独立をしている
紀村 実里…65歳
団地(1号棟の103号室)に夫と共に暮らしている、子供達は独立をしている
久藤 智子…66歳
団地(2号棟の101号室)に夫と共に暮らしている、子供達は独立をしている
小糸 幸世…67歳
団地(2号棟の102号室)に夫と共に暮らしている、子供達は独立をしている