夕方の営業(常連客編、その11)
物語は前回の続編になります
ワコのお店から預けていた
飲み物を受け取り戻る山武、
それと入れ替わりに朝陽が
ワコのお店に入り度数の高い
お酒を注文する声が聞こえてくる…
一方その頃の
お店の中ではバタバタしながらと
せわしく賑やかになっていた
哲男【そうなんすよ~】と
嬉しそうに色々話していると
山武【戻りました~】と烏龍茶を置く
アコ【あら、今日は
お酒じゃないのね】
山武【たまには休肝日作らないと、
それに健康診断も近いので】
アコ【それはそれは色々引っかかると
後がやっかいだからね~】
広志【引っかかるとあれやこれやと
再検査や病院行けとか
色々言われるんだけどさ~】
アコ【その前にちゃんと健康ならば、
すぐ終わるでしょうよ】
広志【どこかの誰かさんには
言われたくないな~
毎回おかしいと騒いで
先生と言い争いの声が
聞こえてくるのは
気のせいかい】と出来上がった
料理を盛り付けしながら
話している
アコ【気のせいよ~
私はいつも心穏やかよ~】
広志【アコ~武ちゃんの分
上がったよ~】と
出来上がった料理を
盛り付けている
アコ【は~い、よっこらしょっと】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま!
めしあがれ】
山武【ありがとうございます、
いただきます】と割り箸を
割っておもむろに一口食べる
山武【いや~美味い!オンオフの
切り替えがここで出来ます】
アコ【それは何よりね】
山武【そういえば尚美ちゃん
どうしたんだろう、
さっきワコさんのところで
すれ違ったから…】
それから少し時間が経過した頃…
朝陽【こんにちは~】と
暖簾をくぐり店のドアを開ける
アコ【あら~尚美ちゃん
いらっしゃい】
朝陽【はぁ~と揚げ出し豆腐で】と
注文した後早くも焼酎の
“百年の孤独”を煽る様に
飲み始める
哲男【尚美ちゃんどうしたの~?】
広志【哲男君…野暮な事は聞かないの
が大人というもの、
変に首を突っ込まない!
余計なお世話だよ】と
調理を始めながら
小声で話している
アコ【そうは言いますけどね、
聞かぬは一生の恥
聞くは一時の恥
というではないですか】と
こちらも小声で広志と
話している
広志【分からなくもないが
今は手を動かして、
後で聞こう】
アコ【そうですね】
山武【あえて聞きましょうよ、
振られたら振られたで
ヤケ酒に付き合いましょうよ】
アコ【仕方ないわね~】
山武【尚美ちゃん、
休み彼氏とどこか出掛けたの?】
朝陽【厳島神社に行く予定してて
待ち合わせしたんですけど、
まさかのドタキャン
されたんですよ~】と
焼酎を再び煽る様に飲む
広志【尚美ちゃん!そこまでにして
おきな!】と焼酎をとりあげる
アコ【気持ちは分かるけどね】
朝陽【うわ~ん】とテーブルに
突っ伏して泣き始めてしまった
アコ【本気だったからこそよね】と
軽く頭を撫でている
山武【でも前に見かけた時には
仲睦まじく良い
雰囲気だったのに】
和邦【一線を越えようと
性急に焦ったせいかも】
洋之【でもそれだけで別れたいと
思いますかね~】と
食べながら話している
山武【謎ですよね~】とこちらも
食べながら話している
アコ【う~ん、話を聞いている限り
良い人そうだけど…】
矢野【こんばんは~】と暖簾をくぐり
店をドアを開けて入ってくる
アコ【あら!いらっしゃい昼に続いて
夜まで、ありがとう
ございます!】
広志【また来たのか高給取り】
矢野【違いますよ、自営業者の
安月給ですよ】
広志【でも夜まで来るなんて
珍しいな~】
アコ【良いのよ~第2の親代わり
としてね】と満面に笑みを
浮かべながら話している
周りを矢野が見渡すと
皆一応に首を横に振る
広志【アコ…余計なお世話と
いうものです】
アコ【はいはい、ところで
今日は何にいたしましょう】
矢野【日替わりでお願いします】と
カバンを下ろしてカウンター席
に座る
アコ【ありがとうございます、
お父さん】
広志【はいよ!】
山武【そういえば昼も来たって…】
矢野【近くで行政関連の書類作成の
依頼が立て続けにありまして…
飲食店はあるのですが
店内を見渡すと急かされている
印象を受けまして…】
広志【あぁ…何となく場所が
分かった…あの辺りだな…】
哲男【さすか大将!それだけで
分かるなんて】と関心している
広志【おだてても何も出ないぞ!
その前にはいよ!
尚美ちゃんおまちどおさま】と
尚美の前に揚げ出し豆腐を置く




