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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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28/204

夕方の営業(市場関係者編)

時計の針は17時を少しで回った頃、

近くの公園で賑やかに遊んでいた

子供達がそれぞれの家に帰ろうとしていたその時…いつもなら3兄弟が一番に現れるのですが今日は?


鈴村【こんにちは~】と暖簾をくぐり 

   店のドアを開けて入っていく


八百【おっす!来たぞ~完成したって】


丸井【今晩は~】


渡貫【こんにちは~】


谷出【今晩は~】とぞろぞろと

   店のドアを開け入ってきてと

   テーブル席に座っていく


広志【いらっしゃい!皆恐ろしい

   執着だな~】


アコ【いらっしゃい!】


源 【いらっしゃいませ~】


八百【久々にアレ食べられるんだから 

   さ~】と和やかに話す


広志【お礼は丸井さんに】


丸井以外の皆が丸井に対して

“ありがとうございます”と軽く頭を

下げている


丸井【大した事はしていませんよ】


アコ【それより飲み物はちゃんと

   大丈夫ですか?】


鈴村【そうそう“ぬる燗”で

   お願いします】


八百【俺も俺も】


アコ【はいはい】とそれぞれの

   お酒を徳利に入れ替えて

   温め始めた


アコ【その前に、はいおしぼり】と

   それぞれに渡している


皆一同に【ありがとうございます】と

受け取り手を拭いたりしている


ちなみにではあるがお店には常連客

専用の徳利がある、それは間違えないようにするためである


広志【その間どうする?先に少し腹に

   つまんでくかい?】


皆顔を見合わせて…そりゃあ

いただかないと


広志【はいよ!】とそれぞれの

   テーブルに皿にのせた物を

   置いていった


広志【“牛肉の干乾し”別名は

   “ビーフジャーキー”】


八百【お待ちかね~会いたかったよ 

   ~】


鈴村【本当です~お眼鏡に叶いました 

   ~】


丸井【あとは、“牛スジの煮込み”

   もらえますか?】


アコ【丸井さん?野菜も食べましょう 

   ね!】とニンマリと笑顔で語る


丸井【…アコさんに逆らうと

   後が怖いから頼みましょうね…】  

   と少し呆気にとられながら話す


谷出【私は“揚げ出し豆腐”と

   おからは何に?】


広志【おからは酢の物と

   和えてあるよ】


谷出【じゃあそれでお願いします】


八百【野菜食べようぜ~】


鈴村【それを言うなら魚もな!】


渡貫【キノコや乾物も

   忘れないで下さい】と

   皆が言い合う状態に

   なっている中で…


広志【“ホルモン炒め”になら

   野菜も魚も入ってるぞ!】


丸井【でも“おからの酢の物”と

   “出汁巻き玉子”をお願いします


アコ【はい、ありがとうございます!

   それで皆はどうするの?】


渡貫【私は“ホルモンの炒め物”を

   お願いします】


八百【俺も同じ】


鈴村【俺も】


広志【はいはい】


丁々発止(ちょうちょうはっぱ)

しているちょうどその頃、ぬる燗が

頃合いに出来上がり、

それぞれに差し出す…

そこには牛肉の干乾しをあらかじめ

入れてあるのだ


広志【はいよ~もう少しな~】


アコ【先に少し食べたら?】


八百【じゃあ、そろそろ】と

   一口食べる


広志【ちなみにではあるが、

   牛肉の干乾しは

   非常に硬いので少量ずつ、

   かみしめる様に食べるのが

   おすすめである!

   念の為に申し上げるが

   歯が弱っている方は

   白湯に浸して柔らくなってから 

   食べていただけたら

   幸いである】


アコ【お父さん?】


源 【親父?】


広志【ん?】


アコ【どうかされました?】


広志【いや、何でもない】


八百【う~~ん、美味い‼️

   これこれこの味この味だよ】と   

   満面の笑みで


鈴村【どれどれ、俺も…美味い‼️

   これだよな~】と

   同じく笑顔で語る


更には皆がそれぞれの

お酒を呑みはじめると…


皆 【くぅ~これこれ、たまらん!

   タマランチ会長】


広志【…おいおい久々に聞いたぞ、     

   タマランチ会長って】


アコ【今の時代では死語ね…】


丸井【たまにはいいじゃ

   ありませんか?】


谷出【そうそう】


広志【これから来る他のお客様に

   くれぐれも迷惑をかけない

   様に!】


皆 【は~い!】


源 【弾けてるね】と作業しながら語る


アコ【皆さん、くれぐれも

   お願いしますね?そうでないと

   私も久々に呑まなくちゃね?】と 

   笑顔で語りかける


皆 【……はい……】


それぞれが小声で…


鈴村【アコさんに酒は呑ませるなよ】


八百【分かってるよ!俺なんか

   昔投げ飛ばされたんだよ】


丸井【昔、泥酔して暴れた

   男のお客のアレを鷲掴みにして 

   破裂寸前まで使い物に

   ならなくさせたとか】


渡貫【車を大破させたとか】


鈴村【睾丸破裂の話は聞いた事あるぞ! 

   どこかの組の下っ端だろ!

   あの後連中乗り込んで     

   来たらしいがアコさんの顔を

   見た瞬間…ただならぬ気配を

   感じて即座に帰ったって

   話だろう】


アコ【何コソコソ話ているのかしら、 

   どんな話なの?】


皆 【いえいえ何も】と

   慄(おのの)いている


広志【アコ!口よりも手を動かして】


源 【お袋、再び嵐が来るからね】

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