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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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夫婦の会話(その3)

さてさて時計の針は13時を回り、

小料理屋アコの昼営業は終了になろうとしていた!最後のお客が会計を済ませて店を後にする


客一【ごちそうさまでした~】


広志【ありがとうございました~

   またどうぞ~】


アコ【ありがとうございました~】

   お客が見えなくなるまで見送る


暖簾(のれん)を下げて店に入れるアコ

札も休憩中に代えて、入口のカギを

閉める、広志が調理場の後片付け

しながら、皿洗いをしアコはテーブルに残った皿やコップを集めたり、

拭いたりしている


広志【今日も相変わらず忙しかったな  

   ~】


アコ【ありがたい事ですよ、

   近くには飲食店が

   たくさんあるのに】


広志【確かにな、忙しい位が

   ちょうど良いのかも

   知れないがな】


アコ【私達も早く片付けて

   お昼食べましょう、

   もうお腹ペコペコよ!】


広志【はいはい】


さて、二人は賄いである

今日の日替わりを食べている時の

やり取り


広志【今日はまあまあかな…】


アコ【今日は和食でしたね~】


広志【ある意味でウチは

   社員食堂みたいだな】


アコ【そんな感じですね、

   近くにも飲食店があるのに

   ありがたい事ですよ】


広志【それは言えるな~】


アコ【そういえば、アレは順調に

   いってますか?】


広志【順調だ、いいトップだよ】


アコ【そうしましたら、

   明後日には大丈夫そうですか?】


広志【いい具合だから大丈夫だよ】


アコ【そうしましたら、明後日の

   夜の営業はそれを

   基本にですね】


広志【そうだな】


ワコ【こんにちは~大将~

   アコさ~ん】と店のドアを

   叩いている


広志【どうしたんだろう】


アコ【そうですね~】と言って

   店のドアを開ける…

   ガラガラガラ…


アコ【どうされたんですか?】


ワコ【これ、この前のお礼!】と

   ある物を手渡す


アコ【あらっ菓子折…いやいや

   お代も頂いてますから】


ワコ【違うのよ、大将にお願いが

   ありましてね…】


広志【どうせあれですよね、

   お裾分けでしょ】


ワコ【違うわよ!ちゃんと

   お金は払うからさ~】


広志【それなら尚更受け取れません 

   よ】


ワコ【違うのよ、恐らく飲み過ぎ

   ちゃうからさ~

   間違いなく迷惑かける

   だろうから、先に渡しておこう 

   と思ってね~ヘヘヘ】


ワコ【ワコさん一家に先手

   突かれましたね…】


広志【はぁ~分かりました

   頂戴します!】


ワコ【ありがとう】


広志【こちらも一つお願い

   ありましてね】


アコ【あっ!そうそう】


広志【新潟の日本酒で“景虎”というの

   があるらしいんですが…】


ワコ【それを呑みたいと】


アコ【休みの前の日は呑まないと

   やってられないものね~

   お父さん】と広志に視線を

   向けている


ワコ【でもなかなか難しい銘柄を

   リクエストしてきたわね~】と

   悩ましい表情で…


アコ【少ないんですか?】


ワコ【なかなか貴重な銘柄よ】


広志【そうですか…もしダメなら

   “与三郎”でお願い出来ますか?

   出来れば明後日までには】


ワコ【景虎は難しくても与三郎は

   大丈夫よ別件で手配して

   あるから、任せなさい!】と

   胸を張っている


広志【宜しくお願いします】


ワコ【じゃあ大将!あれは

   お願いします】と

   言って店を後にする


広志【今度こそ、一休みだな】


アコ【そうですね】


そして二人は夕方の営業に備えて、

つかの間の休息に入ったのでした



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