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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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夕方の営業(常連客編、その41)

山武【アコさん、今の曲は…】


アコ【岩崎宏美さんの思秋期と

   セリーヌディオンさんの

   I SURRENDERよ】


広志【心を落ち着かせる時に

   歌うんだよ

   これでも上がり症だから】


哲男【アコさんが上がり症~

   アコさんが上がり症なら

   世の中の人は

   みんな上がり症ですよ~】


アコ【て・つ・おさん

   今日は泊まって行くわよね】と

   満面に笑みを哲男に向ける


哲男【いや…今日はご遠慮させて

   いただきます】と

   全身から汗が噴き出している


広志【地雷踏んだな~

   明日明後日はどうなるかは…

   言わないでおこう

   身を持って知る事に】


哲男【イヤイヤイヤ

   アコさんすいません

   本当に勘弁して下さい】と

   必死に謝罪している


アコ【さあて、何にしようかしらね~

   フフフ】と笑っている


そんな時プルルル…プルルル…と

電話が鳴っている


広志【はいよっと】 と 

   足を運んでいって

   電話の受話器を取る…ガチャ


アコ【もしもし~小料理屋アコで】


津雲【おうよ!時間ないから

   メモを頼む】


広志【はい!】と紙とペンを取って


広志【大丈夫です】


津雲【飛行機は緊急着陸したが

   何カ所からか炎が見えている

   ケガ人多数だが無事だ

   和泉や桜木さんの恋人にも

   伝えておけ】


広志【それで皆さんは

   どちらの病院に】


津雲【それは分からない

   あまりにもケガ人が多数でな

   でも、この辺りだと

   千葉大学附属病院か

   メディカルセンターか

   順天堂大学附属浦安病院か

   その辺りになると思うが】


広志【申し訳ないですが

   まるで我を忘れたように

   浴びるように飲んでいたのが

   おりますので】


津雲【はいよ、分かったよ

   また、連絡する】


広志【ありがとうございます、

   失礼します】


そういって電話の受話器を

下ろしていく…ガチャ…ツーツーツー


広志【ふぅ~】と思わず椅子に

   腰を下ろして座ってから

   深く一息ついている


アコ【お父さん大丈夫?】


広志【緊急着陸出来たようだ

   ただケガ人多数で

   それぞれ病院だそうだ】と

   つぶやいてから皆の顔を見て

   頷いている


山武【良かった~】


哲男【本当に良かった~】


洋之【後はケガの具合ですね】


和邦【それで尚美さんの恋人さんは

   今どちらに】


広志【津雲さんから連絡がな

   それから行ってもらうとするよ

   そこで寝てるお姫様にもな】と

   朝陽の寝顔を見つめている


アコ【あらっもうこんな時間なのね

   閉店で家に帰りなさいよと

   言いたいけど

   今日は泊まっていきなさい

   雑魚寝しかないけど】


広志【着替え用意しておくから

   この時間なら銭湯は…】と

   時計を見つめている


広志【大丈夫だな】


哲男【良いっすか?】


洋之【助かります】


和邦【この時間だとどうしようかと】


山武【すいません家族に電話だけ】


矢野【すみませんお世話になります】


広志【そうしたら銭湯に

   行っている間に

   連絡しておくよ】


山武【ありがとうございます

   尚美ちゃんは】


アコ【明日朝に報告して

   仕事休んでもらいましょう

   そうしないと気持ちがね】


広志【少しは良い夢見ていると

   思いたいがな】


そして、アコと広志と朝陽以外の

面々が銭湯に向かっている間

後片付けと奥の部屋に布団を敷いて

アコは自宅に戻って風呂を沸かして

入っているそんな時ですが


プルルル…プルルル…と

電話が鳴っている


広志【はいよっと】 と 

   足を運んでいって

   電話の受話器を取る…ガチャ


アコ【もしもし】


津雲【お疲れさん、メモ頼む】


広志【お疲れさまです

   さすが津雲さんですね】と

   紙とペンを取っている


津雲【大変なのはこれからだろう

   原因究明やケア等にも

   時間かかるだろうさ】


広志【ちなみに和泉竜哉の恋人は

   浴びるように酒を飲んで

   酔いつぶれてましてね】


津雲【翌朝、伝言を頼むわ

   順天堂大学附属浦安病院とな

   桜木隼人も同じ所だ】


広志【それで皆さんのケガの具合は】


津雲【骨折している人は何人か

   いるようだけどな

   多いのは打撲や捻挫だな

   驚いたのは9歳の男の子が

   一人で飛行機に乗って

   おじいちゃんおばあちゃんに

   会いに行った行動力だろうよ

   とりあえずそんな所だ】


広志【本当に色々ありがとう

   ございます】と

   深々と頭を下げている


津雲【まあ、こちらも色々

   ご配慮もらっているからな

   また連絡するわ】


広志【ありがとうございます、

   失礼します】


そういって電話の受話器を

下ろしていく…ガチャ…ツーツーツー


広志【明日明後日休みだわな】


それから数時間後

みんな床についたのでありました

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