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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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155/207

お昼の営業(常連客編、その15)

さてさて仕込みが終わり時計の針は

11時を回り、小料理屋アコは昼営業の開店準備をしていた

その時には、お客がちらほらと…


相木【こんちは~大将にアコさん!】と 

   毎度一番乗りで暖簾をくぐって 

   店のドアをガラガラと開けて

   入っていく


浮田【こんにちは~】それに続いて

   入っていく


アコ【いらっしゃい!そこで

   座って待っててちょうだい】と

   調理しながら話している


相木【いつもすいませんね~

   ありがとうございます!

   あ~腹減った~】といいながら 

   カウンター席に腰を下ろして

   座っていく


アコ【しかし、ようやく秋が到来

   したわね~】と最後の

   準備しながら話していると


相木【いや~もう仕事がはかどる事

   はかどる事】


浮田【○○の秋と言いますけど

   今は仕事の秋と食欲の秋と

   恋愛の秋ですよね】


アコ【あらっ2人共に季節外れの桜が

   到来したのかしら】と麦茶を

   コップに注いで渡している


相木【おかげ様で】

浮田【右に同じくで】と少し頬を

   赤くしながら応えている

   

広志【恋愛の秋から失恋の冬に

   なるなよ~祝い酒でも

   ヤケ酒でも付き合って】


相木【いやいや今度ばかりは

   年貢を納めますよ】


浮田【それに一緒にいても

   素のままでいられるってのが

   1番安心ですよ】


広志【恋愛は寄せては返す海のさざ波 

   のように、近づいたと思っては 

   遠ざかったりだからな】と

   調理しながら話している


アコ【そうそう相手のどこが

   良いなんて言っている時は

   まだまだ本命ではないのよ】


広志【そういうもんだよ

   良いも悪いも全てを含めて

   この人と一緒になりたいと

   感じた時が本命というもの】


相木【何か深いですね~】

浮田【2人はそうなんですね】と

   ニヤニヤしながらアコと広志を

   交互に見つめている


広志【そりゃあそうだろう】


アコ【そういうものです】


広志【さてと、アコ!そろそろいいぞ~ 

   開店だ~】と声をかける


アコ【はい!じゃあ開店で~す

   いらっしゃ~い!】


広志【いらっしゃい!毎度!】


店にはお客さんがぞろぞろと入って、おもむろに席に座る


相木【今日は何だろうな~】


浮田【献立考えなくていいし】


アコ【はい、おしぼり】と渡している


相木【ありがとうございます】

浮田【ありがとうございます】

   それぞれ受け取り

   手を拭いたりしている


榎本【こんにちは~毎度~】と

   暖簾をくぐり抜けて店のドアを 

   ガラガラと開けて、店の中の

   様子を伺っている


アコ【えのちゃんいらっしゃい

   どうぞ】


榎本【ありがとうございます】


泉澤【こんにちは~大丈夫ですか?】と

   後ろから続いて入ってくる


アコ【いらっしゃいませ、

   こちらへどうぞ】


榎本と泉澤がそれぞれ

カウンター席に座ると


アコ【はい、みんな麦茶と

   おしぼりね~】と

   それぞれに渡している


榎本【ありがとうございます】

泉澤【ありがとうございます】

   それぞれ受け取り

   手を拭いたりしている


広志【アコ!あがったよ‼】と

   出来上がった料理を

   盛り付けている


アコ【は~い‼よっこらしょ】と

   おぼんを持ち上げて運ぶ


アコ【はい、おまちどおさま

   めしあがれ】とそれぞれの

   カウンターテーブル席に

   置いていく


相木【今日は何ですか?】


アコ【今日は“シソの実カレー”に

   “春雨サラダ”に“アジフライ”に

   お通しの出汁巻きね】


浮田【シソの実カレー?】


相木【シソの実なんて食べられるん

   ですか?】


広志【シソの実はお酒のアテとして

   食べる人がほとんどだけど

   煮物や炒め物にも使えるんだよ

   プチプチしたのとシソの爽やか 

   さが人の好みに別れがあるがな】 

   と手を動かしながら話している


相木【へ~】


浮田【相も変わらず、大将って何でも 

   知ってますよね~】


榎本【確かに凄いですね~】


泉澤【さすが大将ですね~】と

   関心していると


広志【色々食べ歩きしていると

   その地方の人が教えてくれる

   ものだよ】


アコ【それに付き合わされて

   ウン十年ですけどねって

   早く食べちゃいなさい、

   冷めちゃうわよ】と

   手をパンパンしている

   

相木【はい!いただきます】と割り箸を  

   持って割ってから

   一口食べると…


浮田【美味いっす!このプチプチ感

   良いですね~】


相木【美味いけど…一気に口に

   入れると…】と言ってから

   慌てて麦茶を飲み干している


広志【塊に当たったようだな】


アコ【はいはいゆっくり食べなさい

   出汁巻き食べて口の中を

   和らげて】と言いながら

   相木のコップを

   持ち上げてから麦茶を注いで

   相木に渡していったのでした

   

アコ【ご飯食べてつかの間休んで

   お昼からもひたむきにね】


相木【は~い‼】

浮田【は~い‼】

榎本【しっかり働きます‼】

泉澤【頑張ります‼】と

   もりもり食べている


その後の店内では…


高橋【すいません大盛りにして

   もらえますか】


佐橋【これは美味い、シソの実

   懐かしいな~】と食べています


アコ【はい、少しお待ちくださいね~】  

   とバタバタと動きながら


広志【はい!ちょうどですね、

   ありがとうございます

   またお待ちしています】と

   お会計を終えて

   挨拶をしている


○○【まだ大丈夫ですか?】と

   暖簾をくぐり抜けて店のドアを 

   ガラガラと開けて、

   店の中の様子を伺っている


アコ【いらっしゃ~いませ~

   どうぞ空いている席へ】


それから、様々なお客様が

ご来場して、美味しいお昼を食べて

みんなエネルギーチャージをして

昼からの仕事に向かって

いったのでした

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