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避難所へ届けます

さてさて、時計の針は13時半を少し

過ぎた頃…

広志とアコから頼まれ事をした魚屋の大将である鈴村は車で避難所へと

向かっていたのです。

そして、無事に避難所の駐車場に

到着して車を止めてから鈴村が下りて荷物を持って運んで入り口を通って

いく


鈴村【ごめんくださ~い】と

   呼びかけている


○○【はい、どちらさまでしょうか】


鈴村【市場で魚屋をしている鈴村と

   申します。こちら食べ物屋を

   営んでいる飯塚さんから

   食べ物と飲み物の

   差し入れをと頼まれましてね】 

   と幾つかの発泡スチロール箱の

   中に入っている物を開けて

   見せている


○○【これは】


鈴村【おにぎりとおかずですね

   おかげは卵焼きにから揚げに

   煮物であとはデザートの 

   バナナです。確かこちらには

   32名避難されていると

   伺ったので、少し多めに

   予備で50名分だそうです】


○○【わざわざご丁寧に

   ありがとうございます

   本当に助かります

   飯塚さんには災害の度に

   お世話になっておりまして】と

   頭を下げながら感謝していた


鈴村【私は頼まれただけですから

   あと、こちらは飲み物ですね】

   と言いながら、

   別の発泡スチロール箱を開いて

   飲み物を見せている


鈴村【さすがにお酒という訳には

   いきませんからね】


○○【ところでその飯塚さんは

   どちらにいらっしゃるので

   しょうか、お礼を申し上げ

   ないと】とキョロキョロ

   している


鈴村【今夕方の営業の準備を

   しています。飯塚さん所は

   ほとんどの料理を作れます

   からおかげ様で助かってますよ

   今日は市場も電気が

   止まってしまっているので

   ほとんどの店では大手さん

   の取引以外は商売上がったり

   ですから】


○○【そうでしたか、

   それではこちらお配りします】

   そういって奥の部屋で

   避難されている方々へと

   配り始めたのであります


鈴村【ちなみに先程電力会社の人が

   ウチに来られて復旧は早くて

   夕方、遅くとも翌朝との

   事だそうです】


○○【そうですか…こちらは

   ガスも止まってしまっていて】

   と配りながら話している


鈴村【ガスは夕方には全面復旧すると

   伺っています】


○○【そうですか~良かった~

   わざわざ重ね重ね

   ありがとうございます】


鈴村【それと飯塚さんから復旧したら

   宜しければ皆さん

   お店にいらして下さい

   お待ちしています

   と言付けを頼まれまして

   それでは私は失礼します】と

   頭を下げて避難所を後にした


○○【ありがとうございます】と

   お礼を述べて頭を下げていた


一方でその頃、アコと広志は夕方の

営業の為の準備を進めていました。


広志【アコ~こんな感じでどうかね】


アコ【お父さん、こちらも

   どうですか?】


それぞれの作った物を検食している


広志【これ美味いな~】


アコ【お父さんのもおいしいです】


広志【これなら何とかなるだろう】と

   話していると


ワコ【こんにちは~】

信也【こんにちは~】と2人揃って

   暖簾をくぐってドアを開けて

   入ってくる


アコ【こんにちは~どうしたの?】


広志【信也さんまで珍しいですね~】


信也【これを試飲してもらおうと

   思いましてね】と幾つかの

   お酒をテーブルに置いていく


ワコ【お店どうするかを聞くついでに

   と思ってさ】


広志【これまた珍しいものを

   揃えましたね~】


信也【現地のみの販売もあるからね

   通販もないし、とりあえず

   飲んでみて下さい】と

   猪口をアコと広志に渡してから

   お酒を注いでいる


アコと広志それから試飲している


アコ【これは中華系かしらね】


広志【これは和食かな~】


アコ【これはお酒が苦手な方々にも

   良いかも知れないわね】


ワコ【やはり、そうでしょう】


広志【ちなみになんですけど

   今日店を開けますので】


信也【開けるんですか】と驚きの表情 

   を見せている


ワコ【てっきり今日は休みかと】と

   こちらも唖然としている


アコ【市場の皆さんが色々持ち寄って

   下さりましてね】


広志【ただ、この状態だと最悪

   廃棄処分しなければならない

   から何とかならないかと

   頼まれてな】とアコに視線を

   向けている


アコ【それで、準備していたんです

   まあ、これしか出来ないのも

   あるので利益度外視ね】


ワコ【そうしたらさ~後で来ていい】


アコ【どうぞどうぞ】


広志【何ならここでそのお酒置いたら

   どうですか?

   ここに置けば飲みたい人も

   来るだろうからさ】


信也【そうか~そうしましたら

   お言葉に甘えまして】


ワコ【そうしたら後でね~】


信也【それでは失礼します】と

   挨拶をして店のドアを

   ガラガラと開けて

   暖簾をくぐって自分の店に

   戻っていきました


広志【さてと、もうひと踏ん張り

   しますかね】


アコ【やりましょうか

   お酒は後でゆっくりと

   飲むとしましょう】と

   話していたその時


○○【こんにちは~○○電力です】と

   暖簾をくぐって店のドアを

   ガラガラと開けて入ってくる


アコ【こんにちは~】


○○【先程電線の方交換しまして

   今電力を繋げています。

   後1時間したらブレーカーを

   上げてみて下さい、

   それで万が一復帰しなかったら

   こちらまでご連絡を

   お願いします】と連絡先が

   記入してあるメモを置いていく


アコ【分かりましたありがとう】


○○【それでは失礼します】と

   挨拶をして店のドアをガラガラ 

   と開けて暖簾をくぐって

   隣のワコと信也の店へと

   足を運んでいったのでした


広志【もう夜の差し入れは

   大丈夫そうだな】


アコ【そうですね、残ったら

   何かに併せてみましょう】


広志【料理の化学反応かい】



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