嵐の前のたわいのない話
さて、時計の針は21時になろうとしています。台風はアコや広志達の住んでいる場所に近づいてきて外は雨風が
店に打ち付けています。
広志【さてと、嵐の前に
とりあえず布団だけ
敷いておくかね】
アコ【そうしましょうか、停電する
かも知れませんからね】
哲男【ウチらがやりますよ】
洋之【そうそう】
和邦【それ位はしないと】
そうしてみんなで布団を敷いて
いったのです
そこからテーブルに腰を下ろして
座りながらテレビで状況を
確認しながら、
たわいのない話をしていた
広志【そういえば拓海は彼女と
上手くいっているのか】
矢野【おかげ様で時々はお茶したり
映画見たり、後は“花やしき”に
行ったりしてます】
アコ【あら~良いわね~雷おこしとか
お土産買ったりとか?】
矢野【彼女結構あんこ系の食べ物が
好きで食べ歩きしてました】と
苦笑いしている
アコ【また、今度連れてきて
ちょうだいね】
矢野【都合合えば】と会釈している
広志【泊まりだと行川アイランド
とかか?如何せん他のメンバーは
女運がなさそうだからな~】と
ため息をついていると
アコ【お父さん、行川アイランドは
さすがに遠すぎませんか…】と
苦笑いしている
哲男【大将!俺は今新しい恋に
目覚めているんです】
アコ【新しい恋?誰か好きな人でも
いるの?】
哲男【はい!取引先の事務の女の子
なんですけどね、
とにかく可愛いんですよ~
向こうも俺に気がある
みたいで】
広志【珍しい動物の間違い
じゃないのか~】とお茶を
飲みながらぼやいている
哲男【大将~そんな事言わないで~】
洋之【取引先の事務の女の子…
あの子ですか?少し小柄の】
和邦【確かに可愛い感じですね~】
浮田【自分はキャンプ場で一緒に
なる子ですかね~最近毎回
一緒になるんですよ】
アコ【約束とかしてないの?】
浮田【まだ、そこまでの関係では
ないので】
アコ【でも一緒に料理したり
焚き火したりする訳でしょう、
キャンプ場で天の川を見るのも
悪くないわね~】
浮田【天の川?】
広志【気にしなくていい、
2人だけの世界なら邪
な考えならば押し倒して事に
及んでいるだろうよ】
浮田【さすがにそこまではしませんよ】
と慌てふためく
広志【でも毎回一緒にいるなら、
う~ん友達以上恋人未満
みたいな感じだな】
浮田【今はですけれどね、
ただ彼女は仕事が結構
大変みたいで】
アコ【どんな仕事してるの?】
浮田【○○銀行の窓口担当してます】
相木【いつの間にそんな相手がいて
良いな~俺も新しい恋が
したい】
アコ【この前話していた子が最後?】
相木【そうっすよ】
浮田【でも最近宅配のお姉さん
良いな~とか言ってたじゃん】
相木【レディー○○のお姉さんは
大体結婚しているじゃんよ~
さすがに不倫はまずい】
アコ【最近はマルイチの人も
それなりにいるみたいよ】
相木【マルイチ?】
アコ【バツイチの人の事よ
これから新しい恋に向かって
進めるように前向きにという
事らしいわ、バツイチだと
何か失敗したみたいで嫌な印象
を持たれるからって】
その時突風が吹き始めました
広志【ぼちぼち来る感じか~】と
ぼやいていたその時
電気が消えで真っ暗闇に
なりました、みんな停電だと
驚いていますが2人は驚いた
様子はありません
広志【懐中電灯とブレーカーを
見ないとな~】とマッチで
蝋燭に火をつけ
ながらブレーカーのある所へと
足を運んでいます
アコ【早く寝なさいという
事かしらね】
洋之【アコさん、それは無理と
いうものがありますよ】
和邦【何が起きるか分かりませから】
広志【とりあえずブレーカーを】と
1度落としてから入れ直そうと
するが反応ありません
広志【電気はダメか…ガスと水道は
どうだろう確認しないと】と
調理場に向かって操作すると
カチカチという音がして
ガスの炎が着きます。
水道も蛇口をひねると
水が出てきました
広志【電気以外は何とか
なりそうだな】
アコ【とりあえずですね】そういって
小型ラジオに電池を入れて
周波数を合わせていく
実況【引き続き台風の情報を
お伝えします、
台風○○号は…】
アコ【風が少し弱くなって
きたようね】
広志【後は雨だけだな】
哲男【大丈夫そうっすか、
さすがにみんな寝てますよ】と
小声で声をかけている
広志【あらら…みんなお疲れさん
やな】
哲男【じゃあ俺も、おやすみなさい】
アコ【は~い、おやすみなさい】
広志【おやすみ~】
アコ【おやすみなさいって言ったら、
ジュディオングの魅せられてが
浮かんできたわ】
広志【何故…まぁさすがだな】
こうして嵐の夜は更けていったのです