嵐の足音は近くへと…
さてさて時計の針はもうすぐ18時に
なろうとしています。
台風の影響で雨風が激しくなり
暴風雨の様相を見せています。
アコも広志も外の様子を
伺っています。
広志【この様子だと】
アコ【お店そろそろね】と店のドアを
開けようとした時
相木【こんばんは～大将にアコさ～ん】
と骨組みしか残っていない
ビニール傘を折り畳んでから
暖簾をくぐって店のドアを
ガラガラと開けて
店に入っていく
浮田【こんばんは～】とこちらも
ずぶ濡れになりながら
続いている
広志【昼に続いて夜もかい、
そこにタオルあるから
拭いて】と手を動かし
ながらぼやいている
哲男【珍しいっすね～
夜も来るなんて】と口を
モグモグさせながら
話している
相木【仕事終わって、早めに
銭湯行って浸かってから、
家に帰ろうとしたら
雨風強くなってくるわで、
あちこち停電し始めるはで
とりあえず避難しなくてはと
思いまして】
アコ【確かにこの天気ならば
仕方ないわね～、
とりあえず日替わりしか
ないわよ】
相木【ありがとうございます、
お願いします】
浮田【右に同じくで】
アコ【お父さ～ん!日替わり2つと
揚げ出し豆腐2つ追加でお願い】
と声をかけている
広志【はいよ～しかしそこまで足音が
来ているという事だな】
そう言って調理に取りかかる
相木【哲男さん達は銭湯は】
哲男【みんな銭湯言ってきました
でないと台風っすからね】
アコ【そのまま家に帰りなさいよと
言いたいけど、こうなると
2人も泊まるかい
雑魚寝しかないけど】
と話をしながら湯飲みにお茶を
入れてカウンターテーブルに
それぞれ置いていく
浮田【それはありがたいです
念の為に寝袋持ってきて
ありますので】
広志【さすが用意周到】と手を動かし
ながら感心していた
浮田【最近キャンプに行くの
ハマっていまして】と
少し照れている
それから、少しして防災無線からの
放送が流れてくる
ピーンポーンパーンーポーン
無線【こちら防災○○です、
只今当地方に大雨・暴風・
洪水・波浪警報が
発令されました。
今後の気象情報に注意して
下さい。繰り返します】
広志【そろそろおいでなすったな】
アコ【そのようね】
無線【こちら防災○○です。
只今当地方に土砂災害警戒情報
並びに竜巻注意情報が
発令されました。
今後の気象情報に十分に
注意して下さい】
広志【久々に大暴れだな】
アコ【念の為に準備しておきましょう】
と動き始めた
哲男【どうしたんすか】
広志【これだと店じまいしなければ
ならなそうだからな】と
店のドアをガラガラと開けて
暖簾をしまっていったのです
アコ【念の為の水分や食べ物よ
何日分かは常時置いてあるわ、
それ位しておかないと
食べ物屋の名前に傷が
付くというものよ】
広志【悪いがみんなで店の前の
止水板の隣に土嚢を積み上げて
置いてくれるかい】
矢野【分かりました】
相木【泊まるお礼を】
浮田【しなくてはなりません】
浩之【そうですね】
和邦【やりましょう】
哲男【ヨッシャ】
そして土嚢を次々とそれぞれ持って
積み上げていったのです
矢野【これで大丈夫だと思います】
そういってみんな濡れながら
店に戻ってくる
広志【悪かったね、助かったよ
ありがとう】
アコ【はいはい、みんなタオルで
拭いてちょうだいね】
みんなありがとうございますと
タオルであらゆる所を拭いていると
広志【たまには梨でもどうだい】と
それぞれをテーブルに
切った梨置いていったのです
哲男【大将、どうしたんすか?】
広志【単純に果物食べたくなった
だけだよ】
相木【ありがとうございます】
そういってから食べ始めたの
でありました
アコ【みんなも今の内に食べて
おいてね】
矢野【ありがとうございます】
実況【ここで速報です。RJ東日本に
よりますと本日20時半の電車
を持ちまして終日運転見合わせ
私鉄も同様の方針です。
そして、気象庁は○○川と
○○川が氾濫危険水位に達する
可能性が高くなるとして
近くの住民に避難を呼びかける
と同時に夜遅くで難しい場合は
自宅の近隣の高い所へと避難
して下さい。くれぐれも命を
守る行動をとって下さい】と
呼びかけられていた
矢野【ここは大丈夫なのでしょうか】
と少し不安そうにしている
広志【ここはダムがあるからな
普段はカラカラの川が
溢れそうになった時に
緊急放流で使われるのが
何回かあるけどな】
アコ【放流の後の釣りする人が
多くてね～釣れないのに】と
和ませている
広志【みんないつも通ってるよ
大丈夫だ後は逐一確認しながら
判断するとしようや】
