お昼の営業(常連客編、その14)
さてさて、時計の針はもうすぐ11時になろうとしています。
アコと広志は災害に備えての食事と
いつも通りの昼営業の準備を並行して作業しています。
広志【アコ~あとどれくらいかね~】
アコ【昼の分は大丈夫そうですね~
それにしてもこれからが
本番なのに風だけは
激しくなりそうですね~】
広志【昼営業終わったら、
あらゆる物や所を災害に備えて
準備しておこう】
そして、時計は11時となりました。
那須【友楽町放送の那須理恵子です。
本来ですとこの時間は
人生相談テレフォンの時間です
が、予定を変更いたしまして
台風の情報をお伝えします。
ご了承ください】
広志【人生相談まで休みとは
大事になりそうだな】
アコ【とにかく食糧だけは
備えましょう】と手を動かして
いたのです。
そして仕込みが終わり時計の針は
11時半を少し回ったその頃、
小料理屋アコは昼営業の開店の準備をしていた、普段ではお客がちらほらと見られるのですが…
アコ【さすがに今日は難しいですね】
広志【こればかりは自然の原理だから
な、これから雨や風が
更に激しくなるだろうし】
アコ【そうですね、非常時用に
少し分けておきましょうか】
時計の針は更に進みまして
12時を回りました
広志【久々に開店休業となるかね~】
アコ【そんな時もありますよ】と
諭すように話している
広志【とりあえず、開店いいぞ~】と
声をかける
アコ【はい、じゃあ開店で~す】と
店のドアをガラガラと開けて
暖簾を引っかけていると
相木【こんちは~大将にアコさん】と
傘をたたんでから、
暖簾をくぐって店のドアを
ガラガラと開けて入っていく
浮田【良かった~あ~腹減った~】と
同じように傘をたたんでから、
入っていきいつもの席に座った
広志【いらっしゃい!毎度!】
店にはお客さんがぞろぞろと入って、おもむろに席に座っていくと続いて
榎本【こんにちは~毎度~】と
暖簾をくぐり抜けて店のドアを
ガラガラと開けて、
店の中の様子を伺っている
アコ【えのちゃんいらっしゃい
どうぞ】
榎本【ありがとうございます】
泉澤【こんにちは~大丈夫ですか?】と
続いて入ってくる
アコ【いらっしゃいませ、
イズさんもこちらへどうぞ】
榎本と泉澤がそれぞれ
カウンター席に座ると
アコ【はい、みんな水とおしぼりね~】
とそれぞれに渡している
相内【ありがとうございます】
浮田【ありがとうございます】
榎本【ありがとうございます】
泉澤【ありがとうございます】
それぞれ受け取り
手を拭いたりしている
アコ【台風もこれからこっちに
向かってくるって
いうからね~】
相内【ウチの会社も今日は台風の
備えであらゆる物を
片付けしたら、
それで上がりっす】
浮田【下手したら帰れない人や家も
土嚢やら準備しないといけない
ですからね】
相内【家帰ったら大人しくして
おくしかないからね、暇だ~】
アコ【ウチは台風の進路次第ね】
浮田【店明けるんですか?】と
驚いた表情を見せている
広志【停電とかになった時のために
簡単な食べ物を念のために
作っておくんだよ。
毎回の事だからな】
アコ【それに、ちゃんと家と店は
対策してあるわよ。
ナメたらあかん~てね】
広志【はいはい、アコ~あがったよ‼】
と出来上がった
料理を盛り付けている
アコ【は~い‼よっこらしょ】と
おぼんを持ち上げて運ぶ
アコ【はい、おまちどおさま
めしあがれ】とそれぞれの
カウンターテーブル
席に置いていく
相木【今日は何ですか?】
アコ【今日はね
“鶏肉のスタミナ炒め”に
“ネギ玉焼き”に
“おからの酢の物”ね…】
広志【今日はご飯少し多めにして
あるからな~もうぼちぼち
新米が来るっていうから】
相木【俺らは残りの処理っすか】
浮田【まあまあ、いつもお代わりして
いるんだから】となだめている
アコ【早く食べちゃいなさい、
冷めちゃうわよ】と諭される
泉澤【出されたものは黙って食べる】
相木【はい!いただきます】と割り箸を
持って割ってから
一口頬張ると…
相木【美味いっす!
これで午後も何とか
乗り越えられますよ】
浮田【備えあればですね】と
口をモグモグさせながら
話している
広志【今日はあらゆる事に
備えておきながら、
身を守る行動をだな】
相木【大将が言うと
説得力ありますよね】
浮田【そうですよね~】
相木【何せアコさんという獰猛な】
アコ【何かおっしゃいまして…】と
後ろから満面に笑みを浮かべて
相木に近づいてくる
相木【アコさん、冗談ですよ冗談】
アコ【今度ゆっくり2人で
飲み明かしましょうね~】と
相木に語りかけている
広志【アコ、それは今度な今度】
アコ【仕方ないわね~
それにそれどころではないし、
ご飯食べてつかの間休んで
備えましょう】
相木【は~い‼】
浮田【は~い‼】
榎本【エネルギー補給です‼】
泉澤【頑張ります‼】と
みんなでモリモリ食べていました
それから、様々なお客様がご来場して、美味しいお昼を食べて
みんなエネルギーチャージをして
各々向かっていったのでした…