夕方の営業(常連客編、その24)
それから少し時間が経過した18時頃…
朝陽【こんばんわ~】と腰を労り
ながら暖簾をくぐり店のドアを
ガラガラと開けて入ってくる
アコ【あら~尚美ちゃんいらっしゃい
って大丈夫?腰痛めたの?】
朝陽【大丈夫です日替わりと
揚げ出し豆腐お願いします】
そういってカバンを椅子に
置いてカウンター席に
ゆっくりと腰を下ろして
座っていく
アコ【お父さん、もう一つ追加ね~】
広志【はいよ~】と再び調理に
勤しんでいる
哲男【尚美ちゃん、本当に大丈夫?】
広志【あんまり無理はしない方が
良いと思うけど】
朝陽【大丈夫です、ちょっと変に
捻ってしまったみたいで】
アコ【何か重たい荷物でも
持ったのね】
朝陽【そうですね】
アコ【くれぐれも気を付けないと、
後で色々面倒だからね~
はい、おしぼり】と渡している
朝陽【ありがとうございます】と
受け取り手を拭いたりしている
山武【ところで尚美ちゃんは
お盆休みは帰省するんでしょ】
朝陽【そうですね~ただ彼と一緒か
どうかは】
広志【仲直りしたかい】と
調理しながら話している
アコ【すれ違いの恋も
またオツなのよね~】
広志【はいはい、いつの頃の話をして
るんだ戻ってこ~い】と
たしなめている
尚美【大将、アコさんてこんな
感じなんですか?】
広志【恋する人達で妄想する
個性的な癖があるとでも
思ってくれればな…昔からだよ】
朝陽【知らなかったですね~】
広志【それにしても結構忙しいそうな
人だからまだ親御さんに紹介は
しない方が良いと思うけどな、
向こうさんも普段と違って
緊張してカチンコチンに
なりそうだよ】
朝陽【その辺はこれから話して
決めたいですね~】
山武【そういえばさっき仲直りって
話してましたけど
大将とアコさんて尚美ちゃんの
恋人と逢った事あるんですか?】
広志【少し前にここに来たから】
朝陽【はい】と嬉しそうに
うなずいている
哲男【いつの間に】
アコ【みんなが帰った後ね
ほらっ尚美ちゃんが
酔いつぶれた時が
あったじゃない】
山武【ありましたね~その日!】
広志【店じまいしようかと思ったら
普通に来て普通に
食べていったよ】
アコ【似た人だけど少し違ったわね】
哲男【そうなんすか?】
洋之【少し残念ですね】と
がっかりした様子を見せる
和邦【どんな人なんですか?】
広志【う~ん】
アコ【誰に似てる…】
朝陽【私は和水君かと】
広志【違う気がする…俳優の…
小宮山瑠央かな~】
山武【誰ですかそれ】
アコ【最近出てきてる俳優さんらしい
わよ、お客さんの中で熱狂的
ファンがいるから否が応でも
覚えたわ】
広志【好みは千差万別というものよ
アコ~尚美ちゃんの分
上がったよ~】と出来上がった
料理を盛り付けている
アコ【は~い、よっこらしょっと】と
おぼんに乗せた料理を
持ち上げる
アコ【はい、おまちどおさま】と
朝陽の前に置いていく
朝陽【いただきます】と割り箸を
割ってから一口頬張る
朝陽【おいしい~】
アコ【皆、あと一息という所ね】
朝陽【はい】
哲男【そういえば大将やアコさんは
今年の盆踊り大会
出るんすよね】
広志【出店はやるけど踊るのは
ないだろうな】
アコ【踊りはね~やはり体力的に
キツイわね~年を重ねたのね
そろそろ世代交代と
いうものよ】
広志【その頃には源も幸も帰ってくる
って連絡あったし、ちなみに
ウチらが出るのは土日だけ
だから金曜もやってるぞ~】と
調理しながら話している
山武【そうなんですか?
てっきり4日間やるものかと】
広志【会長さんと話してね、
今年思ったより他の地区から
来場者が多く予想されていて、
混雑やトラブルが発生する
可能性があるから少し前から
話しをしていたんだよ、
それと焼き鳥やる人が
土曜から孫の面倒があるから
交代でどうかと頼まれてね】
アコ【まぁ土曜のお昼までは
こっちで普通に仕事してから、
やるだけなんだけどね】
広志【それと抽選会もあるしな】
山武【今年の1等賞ってなんですか】
アコ【なんだろう】
洋之【去年はハトやの1泊2日の券で
したよね】
和邦【その前がランドマークの
1日フリーパス】
山武【今年はなんですかね~】
アコ【ただ1等と2等3等と差が
激しすぎるって苦情が
それなりにあったとか
聞いたから、それは新会長の
裁量でしょうね】
それから少ししてみんなご飯を食べ
終えてたわいのない話をしていた
その頃、アコは時計の針を見て
驚いてある
アコ【もうこんな時間?みんな~
そろそろ閉店の時間よ】
山武【もうこんな時間だ!帰らなきゃ
おあいそお願いします】と
腕時計を見てバタバタして
帰宅準備している
哲男【俺らもそろそろ】
洋之【お盆休みまで後少し】
和邦【明日、もっと体力きつい
ですよ~】
哲男【しょうがない、朝は来る!
アコさんウチらの分の
お会計を】
洋之【後で払いますので】
和邦【ありがとうございます】
山武【盆踊りまで後少しか~】と
つぶやきながら
お会計をしている
朝陽【いつか彼と行きたいな~】と
思いを馳せている
山武【それじゃ~お休みなさい】
哲男【お休みなさ~い】
洋之【お休みなさい】
和邦【お休みなさい】
朝陽【お休みなさ~い】
と店のドアを開けて暖簾をくぐり
皆それぞれの家路へと
足を向けていったのです




