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小料理屋アコ~心おだやかなおもてなし  作者: 村越 京三


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ようやく?ついに?

さてさて時計の針はもうすぐ21時半になろうとしています

そんな時一人の男性が暖簾をくぐって店のドアをガラガラと開けて

店に入っていきます

見た目はフードをかぶり夜が更けて

いるのにも関わらずサングラスに

マスクをしており、どうみても

不審人物そのものであるのですが…


客一【こんばんは、

   まだ大丈夫でしょうか】と

   小声で話かけている


アコ【いらっしゃいませ、

   大したものはありませんけど】 

   と毅然と接客する


客一【こちらは小料理屋アコさんで

   間違いないでしょうか】


アコ【そうですけど】


すると奥から広志が出てきて


広志【あったぞ~尚美ちゃんへの

   渡し物】と紙袋を持っている


広志【こんな時間に珍しいな~

   いらっしゃい】と

   声をかけていると


客一【失礼ですけど飯塚さんで

   いらっしゃいますか?】


広志【そうですが、それを聞くという 

   事はようやく来ましたか、

   和水竜哉さんだね】と両手を

   腰に当て顔をじっと

   見つめていく


尚美【えっ!竜哉…君…】と

   驚いた表情を見せている


アコ【随分分かりやすい人ですね】と 

   穏やかな表情で見つめている


そこからマスクを外してサングラスを取りフードを脱いでいくと和水竜哉の姿が現れていた


和水【やっと…やっと逢えた…】と

   それは何かに懇願するように、 

   または(すが)りつく様に

   震えるような声で尚美に

   声をかけている


尚美【どうしてここが…】と

   更に驚いている


広志【津雲さんを通して手紙を

   渡すように頼んだんだよ、

   もし本気なら店に来いとな!

   そうでもしないとメディアの

   世界は己の愛は幻で夢のまた夢 

   なんて抜かす連中の

   集まりだからよ】


尚美【大将って昔芸能活動されていた 

   んですか】


アコ【そんなわけないじゃないの~ 

   色々な食堂で働いていたから

   それなりには見てきた

   経験からよ】


尚美【どんな手紙だったの?竜哉君】と 

   視線を向けると


アコ【はいはい、立ったままではね

   とりあえず座って下さい、

   もちろん尚美ちゃんの隣にね】 

   とカウンターテーブルの椅子を 

   下げて和水を座らせてから

   コップに水を入れてテーブルに 

   それぞれ置いていく


和水【ありがとうございます】と

   水を飲みながら話している


アコ【はいおしぼり】と渡している


和水【ありがとうございます】と

   受け取り手を拭いたりしている


アコ【ところで怪我の具合は

   いかがですか?】


和水【おかげ様で良くなりました】


アコ【それは良かったです】とほっと

   した様子を見せている


尚美【良かった…】と

   手で顔を覆っている

   瞳の奥からは一筋の(しずく) 

   が落ちている


和水【尚美ちゃん…】


広志【外国の朝刊1面に和水さんの

   事件が掲載されているぞ】と

   調理しながら新聞を渡す


アコ【どれどれ…】と手の動きを

   止めて記事を見ると


広志【週刊誌の記者が救助もせずに

   スクープと称して写真を撮る姿 

   までご丁寧にな、

   メディアスクラムはこうして

   やるといわんばかりのな

   しかも記者やカメラマンの

   顔写真や氏名付き】


尚美【本当にひどい!竜哉君を

   怪我させた犯人もそうだけど、 

   なんなのこの記者さんは、

   スクープの為なら何しても】と 

   鼻息荒くして怒りをあらわに

   している


アコ【尚美ちゃん落ち着いて】と

   なだめている


和水【しかし、良くこんな状態を

   撮れましたね~】


広志【これを通報したのは津雲さん  

   だ、別件の取材の報告を

   公衆電話でしていたら遭遇した 

   そうだ、ちなみにこの写真を

   撮ったのはこの新聞社の

   カメラマンさんだそうだ、

   応急処置は津雲さんや近くに

   いた人達がされている

   後少し遅かったら命の危険も

   あったそうだからな】と

   手を動かしながら話している

   

アコ【ところが週刊誌の記者さん

   やらは何もせず逃げたという

   わけやね】と呆れてため息を

   ついている


広志【他のメディアやブンヤも

   表向きは批判しても同じ穴の

   何とやらでな…下手したら

   国際スポーツや外交の取材が

   不可になるぞ…】


和水【ところで津雲さんって

   どなたですか?】


広志【東葉日報の津雲記者です、

   この店のかつての常連客でね

   今でもたまに顔を出してくれる 

   んだよ、ちなみに例の手紙も

   津雲さんを経由して

   渡したんだ、あの人達だけは

   信頼出来るよ】


和水【なかなか僕には厳しい

   言葉もありましたけど】


広志【そんなつもりは

   ないんだけどな、

   一応人生の先輩としての

   アドバイスみたいなものだな】


尚美【どんな内容なの】


広志【尚美ちゃん?野暮な事は

   聞かない方が…】と

   たしなめている


和水【そうですね】と

   静かに笑っている


尚美【なんでですか、教えてくれたっ 

   て良いじゃないですか~

   どうなの竜哉君】と視線を

   グッと顔に近付けていく


アコ【もし教えて欲しければ、

   初夜を迎えることね】


それを聞いて2人は顔を真っ赤に

している


広志【後は2人でゆっくりと

   話するんだな】


和水【ありがとうございます、

   事務所にまで掛け合って

   下さったそうで】


アコ【あの社長さんは昔から

   色々あるからね~】


広志【そうそう】


尚美【何か知っているのですか?】と

   驚いた表情を見せている


アコ【それは…ねぇ、お父さん】


広志【それが表に出たらそれなりの

   騒ぎにはなるだろうし、

   そこにまとわりつく人達も

   何とやらだな、とりあえず犯人 

   も捕まったようだし】


アコ【ですけど外国ですよ?】


広志【難点はそこだろうな、この国と 

   は引き渡しを結んでいない…

   となると和水さん】


和水【はい…】


広志【君に外国へ行ってもらって

   裁判所へ出廷し証言してもらう 

   事になるかも知れません】


アコ【その時は尚美ちゃんも一緒に

   連れて行ってやって下さいよ、 

   外国の夕陽をみながらの

   ディナー、そして夜の星を

   見ながら天の川を越える時…

   最高よね~】とたまらない表情 

   を見せている


広志【アコ!アコ!いつの話をしてるん

   だよ、戻ってこい】と肩を軽く 

   トントンと叩いて

   現実に戻していく


そこから和水は遅い夕食を食べて

たわいのない話をして、尚美と共に

店を後にしたのでした


アコ【ところでお父さん、何て手紙を

   書いたのですか?】


広志【大した事は書いてないよ

   さて片付けも終わりましたし

   帰りますか】


アコ【そうですね】


そして二人は家に帰り風呂に入り

床に着いたのである


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