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プロローグ 人生の終わりは神の気まぐれ

穏やかな風が吹いていた。


教室は騒がしいと言うのに、その騒音が気にならないぐらい心は穏やかだった。


高校生活にも慣れた高校二年生の春。俺はこのいつも通りの生活が続いていくと思っていた。

流れに身を任せて生きていって、そこそこの大人になって、そこそこの人生を送るのだと…。


「何たそがれてるんだよ、あーいぼう!」


不意に肩を叩かれる。


「べーつに、てかお前今日も遅刻ギリギリだったな。もうちょいはよ来いよ。」


と、返事をしながら後ろを向く。


「いやー、朝はしんどくてー」


こいつは、数少ないリア友の一人で大抵俺はこいつとつるんでいた。

クラス内のカーストも、リア充も、そんな華やかな青春じゃなくとも、こいつさえいれば俺はどうとでもよかった気がした。


「それよりもさ、昨日のシナリオなんだけどよ、」


ここで軽くクトゥルフ神話TRPGについて説明を入れたいと思う。

クトゥルフ神話TRPGとは、ステータスや技能を数値化し、ダイスによって成功か失敗を決めてシナリオを進めていき、考察をしながら複数あるエンドの中からトゥルーエンドに行けるように遊ぶ考察型ダイスゲームである。


なお、一部の狂人プレイヤーは狂人プレーを連発してとてつもないエンドを迎えるから、トゥルーエンドが全てって訳でもないぞ!


俺とこいつは、そんなクトゥルフ神話TRPGを愛する唯一無二の親友なのだ。


「シナリオ無視して初手で相互のプレイヤーみんなでチキチキ爆弾ゲームしてたら全員キャラロストしてシナリオおじゃんになったわw」


「馬鹿やってんな…、GMも相互?」


(GM、ゲームマスターの略)


「そそ、てか相互じゃないとふざけられんよ、流石に」


「そらそうか」


「でさ、こっからがお願いになってまうんやけどよき?」


「なん?」


「今日そのおじゃんになったシナリオをもっかいやることになったんやけどさ、違う新規の人とやる予定やったシナリオとブッキングしてまってー…」


「やばじゃん」


「そんで、俺的には相互の方のシナリオは三ヶ月前から予定してたやつやでそっちにいきたいんよ」


(クトゥルフ神話TRPGはゲーム時間が長いため、結構みんな予定を決めておくことが多いのだ。短時間に分け長期的に行うものもあり、なんと半年後にシナリオの予定を入れているって人もいるぞ!)


「ふーん、じゃあ新規の方はどするん?」


「新規の方は結構急に決まったでな…今回は申し訳無いけど断ろかなて思たんやけど、」


「うん」


「お前いけない?」


「…は?」


は?


「いや、その人結構礼儀正しくてさー、断るのほんとに申し訳ないんよ。だからお前が代わりに入ってくれれば断る必要も無いかなって、説明しとくからさー」


「いや、俺の予定…」


「えっ…予定あるんすか!!」


「そら、今どきの男子高校生、予定のひとつやふたつは…ないです、はい、暇です。」


「ほなよかった。じゃあ詳しい内容は帰ったら連絡するわ。新規の方にも説明しとくからよろしくー」


まったく、あいつにとっての俺の扱いよ…。くそー、これ口実にまた今度なんか奢ってもらお。


そう思ってる一方で、心躍る自分がいた。

はたして今日はどんな冒険が待っているのか、どんな考察を深められるのか、


風は穏やかに吹いていた。


初投稿です。

よろしくお願いいたします!

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