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冥界の手

 最近、寒さのせいか就寝時間と起床時間は同じなのに、寝不足になります。朝も昼も眠い。

 これ書いてるのは夜だから別にいいんですけど。

 皆さんはちゃんと睡眠できてますか~?私はできてません(エッヘン!!)

 ヴァルクはその後何日も戦地へと向かい、戦った。そして多くを殺し、喰らった。

 敵からは恐れられ、味方からは称賛された。戦地で呼ばれる名は敵からは「四つ腕の悪魔」、「死神の手」と、味方からは「救いの手」、「切り開く手」と様々だ。

 ヴァルクが戦い始めて、一週間。

 ヴァルクが多くの敵を退けたのか、一時的な冷戦状態となった。

 ヴァルクは今、革命派の本拠地であるピュリティアにいる。

 今回の戦について、革命派代表であるルイファからの言葉だ。

「ヴァルク。今回の戦でお前の働きによって保守派を一時的に退けることが出来た。よってお前の‘‘個‘‘を示す個名とそれなりの資金を与えよう。」

 個名。別の言い方で言えば二つ名。戦うことで‘‘個‘‘を示すことは、敵に恐れを与え目的へと向かうというが、それは戦って初めて知ることだ。だからその者の個名を轟かせることで戦うより前に敵を退けさせる。

 そういう意味がある。個名があることでそれなりに力がある者は向かってくるが、一般兵や戦闘経験の浅い者は簡単に逃げ去ってしまう。

「そうだな。お前にやる個名は、‘‘冥界の手‘‘だ。敵軍から、悪魔や死神と言われているからな。そういう奴らは冥界から来て人を引きずり込むもんだからな。そいつらを呼び寄せる、敵をそこへ引きずり込む。そんな意味だ。」

「その個名、ありがたく頂きます。」

 個名をもらえることは名誉なことだ。個名は元々相手を恐怖させるための二つ名であるため、味方からの誉め言葉としてもらうような言葉ではない。故に少し傷つくような言葉を得るのは仕方ない。一応、個名が気に入らなければ辞退することが出来るのだが、それは自分の‘‘個‘‘を否定することであり新しく個名を得るためには別の‘‘個‘‘を示す必要があるためそんなことはほぼしないだろう。


 ヴァルクが個名をもらった次の日、そのことは新聞で大々的に報道された。

 見出しには「新兵、早くも個名を得る」「敵を呑み込む『冥界の手』」など様々だ。

 ヴァルクは内気なため、戦争中は敵地に突っ込み敵を殺して回っているが、それは自分が龍の姿だから、自分じゃないような気分でいられるから。だから後になって自分のことが報道されたり、褒められたりするのはあまり好きじゃない。

 フードをいつもより深く被り、訓練所の寮から出ていき気晴らしにどこか散歩へと行こうとしたとき、

「お、ヴァルトじゃん。」

「あ、ほんとだ。」

「や。ヴァルト。」

 アスト、フレア、ニアンの順にヴァルトを見つけ、呼び止めた。

 ヴァルトは早歩きして逃げようとしたが、ニアンからは絶対に逃げられない。

 なぜならニアンは一部だけ龍化しているから。

 第一龍化は器官が後付けされ人から変化する。だが器官の後付けというのは同時ではない。体の一部を好きなように変化させることだって出来るのだ。

 だから人の姿のまま翼を生やして飛ぶことだって出来る。

「ね。教えてよ。戦争のこと。」

 ニアンに掴まれ寮の前にあるベンチに座らせられる。

「別に。せめてでいうなら今回は相手に強いのがいなかった。」

「俺たち三人は初陣のときはせめて生き残りたいからなぁ。せめて詳しく教えてくれよ。」

 ヴァルクのいる龍軍訓練所ではヴァルクの成績が一番高い。つまりヴァルクの言う「強いのがいなかった」はこの三人にとってはあまり分からないことなのである。

「ん-。せめて言うなら基本種しか見かけなかったな。」

「じゃあ、ヴァルクが行ったときの戦争は革命派をもっと攻め込むというより単なる人数差アピールだったのかもね。」

 フレアが考えたことを口にした。

 基本種。MONSTER(竜であり龍である者)の半分を占める種のことだ。

 基本種というのはその種の遺伝子が強く、多くが基本種の「直血種」として生まれる。そのため「新血種」や「変血種」などの新しい種や龍としての価値が高い者は絶滅しないよう、基本種よりも遺伝子が強くないと基本種との結婚が法律で禁じられている。

 例で挙げるならスカイキングは基本種よりも遺伝子が強いため法律が適用されない。

 基本種は能力が安定している。そのため、‘‘個‘‘を示しやすいがMONSTER(竜であり龍である者)としての量が多いため、かえって‘‘個‘‘を示しにくい。

 説明で話が逸れてしまったがどうしてフレアが人数差アピールと予想したのか。

 龍としての能力が高かったり希少価値が高い龍は一個の種での数が少ない。

 逆に基本種は一個の種の量が多い。そのため軍の上層部では強い者の手駒を残すために基本種を捨て駒として扱っている。この事は上層部でもごく一部の者しか知らないが、フレアは違う。

 彼女は筆記や軍師としての才能で言えばヴァルクよりも成績が高い。そのため相手がどうして出てきたのかを予想することが出来る。

 実際、模擬線をした時も対戦相手の作戦を少しの動き方で読み切ってしまえるほどだ。

 そのためみんなも信頼しているのか、

「なーんだ。案外、俺たちの初陣も結構楽そうなんじゃない?」

 とアストが余裕そうに足をバタつかせながら言う。それにニアンも頷く。

「そうかもね。でも()()()()()()()わざとそうしたかもしれないから気を付けることには変わりないわよ。」

 それでもフレアは逆の可能性も考慮している。

 三人はあと一週間で初陣になる。でもヴァルクの話を聞いてか、すこし安心したように気が緩んでいる。

「あれ?そういえばヴァルクは?」

「……逃げられた。」

 ヴァルクは三人が話している間、隙を見て寮の外へと出た。

 そして今彼が見ているのは前戦った、土とそこで死んだ者たちの骨だけが残っている平野。それを山の上にある森から見下ろしている。

「もう始まるのか……」

 軍の会議では開戦は一週間後。それでもヴァルクは次の日に起きるような気持ちで、山の上へと向かった。そして近くにあった切り株に座り込み独り言を発する。

「父さん、会えるかな。」

 その言葉は死んでいった父さんに向かって発した言葉なのか、昔に分かれた家族か友に向かって発した言葉なのか。今この時、その真相を知るのは、誰一人としていない。

 ヴァルクは会えるかなと言っていますが、この先の構成が予定していたときより好奇心によって速く書いてしまったのでまとまってないのでね。どうしましょう。助けてください。(自業自得)

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