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四つ腕

 主人公視点で書くと、心情とか会話が多いけど、その分相手のことが分かりにくい。

 第三者視点で書くと、全員のことが分かるけど、一人だと、心情や会話を書きずらい。

 まだまだ初心者なので、会話はありませんが、許してください。

 内戦の中、革命派の一つの陣営である「武力革命派」の中に四つ腕の者はいた。

 腕が四つというのは、人そのものに腕が四本生えているわけではない。龍化すると、腕が四本となるのだ。

 彼の名は「ヴァルク」。身長は平均程度の百六十五センチ。少し内気なのかいつもフードを被り少し長い黒の前髪で片眼を隠している。MONSTER(竜であり龍である者)の「新血種」であり、彼の種の名を「ヴァルカンド」という。「新血種」、「変血種」は基本新種である。そのため命名する必要があり、命名権は本人にある。彼は自分の名と「手」という意味のハンドから合わせて名付けた。

 ヴァルカンドの姿は薄橙と黄土色の間にある砂のような色をした体である。鱗はそれほど硬くないが、ある程度の攻撃なら防ぐことのできる硬さだ。そして最初にも言ったように腕が四本ある。犬や猫のような前脚、後ろ脚のような感じではなく、腕が四本、脚が二本である。腕は強靭で体の鱗よりも硬い鱗に覆われとても太く、翼が生えており、如何なるものを握り潰し、前へと突き進むような力強さを感じる。翼も四つあるので機動力もよく、空中戦では多くの龍が使えない手を易々と使うことだってできる。

 ついに彼は十五歳を迎え、初めて戦地へと向かい戦うことが出来るようになった。

 それまでは十歳から入ることのできる龍軍訓練所へと入り毎日のように訓練を積んできた。

 その時、五十を過ぎたであろう髭だらけの教官が放った一言は

「己の目的を叶えたいと願うのならば、突き進め。そして‘‘個‘‘を示すのだ。‘‘個‘‘を示せるものなら敵は恐れをなし多くが逃げ惑う。さすれば己の目的がより叶いやすくなる。‘‘個‘‘を示せないのならば敵は恐れず己の目的を妨害する。さすれば目的が叶うことはおろか、敵の目的が叶ってしまう。さあ諸君らよ!‘‘個‘‘を示し、己が目的達成に役立てるということを証明せよ!!」

 この教官の一言は昔から、何年経ってもずっとかけられていた言葉だ。故に‘‘個‘‘を示す方法は先に戦地へと向かって行った者たちがやっていることと全く変わっていない。

 それは、自分らしさである「技」を磨くことだ。

 たとえ同じ種であろうとも、行動方法が変われば、全くの別になる。

 つまり、ここにいる者は全て、己の技を磨いているのだ。

 彼には同年代の友達が三人いる。

 少しぽっちゃりとした男子のアスト、些細なことでキレることの多い女子のフレア、直感的な考えで単独行動してしまう女子のニアン。

 アスト、フレアは「直結種」であり、ニアンは「離血種」だ。

 三人についてはまた詳しく話すとしよう。

 四人はお互いに称えあい、卑下する。全て目的のためだ。‘‘個‘‘を示せるのなら称え、示せないのなら卑下する。それでもくじけないのは友情がそれだけ深いからだろう。

 ヴァルクは「新血種」なことと、誰よりも‘‘個‘‘を示し、三人より少し早く戦地へと行くことになった。

 状況は劣勢。ヴァルクは死傷者が多くなったことで起きた人数不足を補うため、戦地へと呼ばれたのだ。

 初めての戦地。今までに見た血よりもはるかに多く、遠くから見れば湖のよう。MONSTER(竜であり龍である者)同士の叫び声や息球(ブレス)の飛び交う光景。きっとそれが初めて見る光景ならば、皆逃げ出していただろう。それでもヴァルクは逃げない。訓練所で学び、体感したのだ。

 流れる血を見て、模擬線を見て、実際に痛みを感じて。

 それでもヴァルクは逃げない。むしろ立ち向かっていった。

 ヴァルク以外にも呼ばれた者はいる。だが呼ばれたときに、辞退することも可能だったため、半数が辞退し、戦地へと向かったのは三十程。

 それでもその三十には大きな意味がある。訓練を多く積み、誰よりも‘‘個‘‘を示した。


 号令がかかり、その三十が戦地へと向かう。ヴァルクは龍化し、空を飛び戦地の中心へと向かった。

 そこではその場の全てが聞こえない。聞こえないのはその場で音が混じり、まともに聞けないからだ。

 聞こうとするのは周りを見渡さず、その場で起きていることをゆっくりと堪能する愚か者。そんな者は一瞬にして死ぬ。

 ヴァルクは血だらけの地上へと降り立ち、叫んだ。

「オ゛オ゛オ゛オ゛ア゛ア゛ア゛!!!」

 龍が叫べば地が揺れ、戦っているものも止まる。その叫びはおおよそ人から出る者でもなく、金切り声が少し混じった龍らしい、低く、体の奥深くまで響く音。

 ヴァルクはヴァルカンドとしてそこらの龍へと向かって行った。

 敵は炎の息球(ブレス)を吐き、ヴァルカンドへと攻撃する。しかしヴァルカンドの手は強靭である。並大抵の息球(ブレス)では火傷すらもできない。

 ヴァルカンドは敵を掴み地面へと叩きつけ、引きずる。この時もう掴まれた敵は死んでいる。

 その敵は別の敵へと投げられ、連鎖するように死んでいく。

 どうやら叫んだのが原因か、ヴァルカンドへと敵が集まっていく。囲まれた。

 それでもヴァルカンドは目的、革命派の勝利のために前しか向かない。

 地面を掴み、敵へと投げつける。深く掘りだしているため、岩を投げるのに近い。

 それでも敵は減らない。

 敵は引っ掻き、噛み付き、有効手段だと思うことをヴァルカンドに向かって絶え間なく攻撃していく。

 だが肝心の攻撃は彼には効いていない。

 四つの腕を巧みに操り、全方位に対応している。隙あらば敵を掴み盾に使い。用が済めば敵へと投げつける。必要なら空へと飛び、空中にいる敵を叩き落とす。


                  ◆


 夕方頃になり、日も落ちた頃、ヴァルカンドは紅く染まっている。全て返り血だ。周りには動かない龍ばかり。動く者は皆味方だ。

 彼はこの一日で実に四百は殺しただろう。だが数える暇なんてない。それが戦場なのだから。

 己の生存のため‘‘個‘‘を示し、向かう者、逃げる者であろうと、敵であるならどんどん殺す。

 故に彼は傷つくことがなかった。傷つくとするのなら、心だろう。なぜ人を簡単に殺せるのか。その思いが心を傷つけてしまったが、この先戦っているうちに忘れてしまう。

 MONSTER(竜であり龍である者)はほぼすべての種が肉食だ。そしてその肉を得る手段は主に三つ。

 一つは野生のMONSTER(竜であり龍である者)から肉を得る。

 一つは家畜を育て肉を得る。

 一つは殺した人を喰らう。

 彼らは皆同族であって同族でない。例え親子であっても。そのため喰っても感染症になることが低い。

 また、殺したものを喰らうことで戦ったことに敬意を表し、感謝を込め、頂くのである。

 本当なら調理した方が上手いのだが、龍化中は本能なのか、生の方が美味く感じる。それに人を調理することは殺したものへの冒涜であり、その行動は味方も敵へと回してしまう行動なのだ。


 ヴァルカンドは殺したものの血肉を喰らう。腹が満ちるまで何匹も。そしてその日、彼は一言も発していなかった。

 今回の作品は私の頭では全キャラクターの名前と龍化の名前と形を覚えられないのでメモしながらやってますね。

 今回ばかりは時間経っても覚えきれない自信がある!

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