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企み

 今回最後の方こじつけになっていて少し変な部分があるかもです。変な部分があったら報告お願いします。

「「えーっと……自己紹介の続きをしてからでもいいかな~?」」

 ノイジとアシャルが間に割って入り、ひとまず周りが気まずくなる空間は避けられた。

「アタシはキリア。いいか?これで」

 ヴァルクの姉。キリア。ヴァルクよりも顔一つ分大きい背丈、焦げ茶色の髪をした彼女はヴァルクと同じように片目を隠してはいるが、違うのはそれが眼帯によるものということ。

 続け様に残りのメンバーも紹介していき、

「僕はパイル。こんな貧相な服装だけど、外に出るのが好きじゃなくてあんま買い物してないんだ。許してね。」

 少し根暗な感じで話してくるパイルは彼自身が言っている通り、少しボロッとした感じの正装となっている。ボロボロなものが正装と言えるのかは怪しいが。

 こうして全員の自己紹介が終わったところでヴァルクの言っていた話の続きが始まる。

こいつ()が保守派にいるのを見てわかるかもしれないが、俺は元々保守派の王城周辺の出身だった。だが新血種(ヴァルカンド)になったせいで虐待を受け、こんな環境をぶち壊したいと革命派に移った。父は唯一俺の味方をしてくれたが、戦死。母の虐待はエスカレートしちまったからな。」

 そう言った後、ヴァルクはキリアに目線を合わせる。するとキリアは頷き、ヴァルクは話を続ける。

「そして俺の母は、‘‘覇者‘‘と言えば分かるか?」

『ハァ!?』

 ‘‘覇者‘‘。その言葉でここにいるヴァルクとキリアを除いた全員が驚く。

 何せこういうことなのだから。

「覇者ってあの歴代最強とまで言われた新血種の‘‘バステルム‘‘のビリーのことか!?」

「ああ、そうだ。」

 バステルム。逆鱗病でないにもかかわらず、逆鱗を唯一持つ龍の種であり、逆鱗によって引き出されるすべての力を理性を保ったまま扱える種のこと。

「姉もバステルムだ。そして俺はヴァルカンド。どういうことか分かる奴は分かるだろ?」

「まさか、新血種が増えないことによる怒りか!?」

「半分あってる。だが、あいつは新血種が増える増えないよりも自分の種と違うことに「自分の子供じゃない」とか言って毎日のように殴ってきた。」

 そういってヴァルクは息を吐ききるように説明を終え、大きく息を吸った後、また息を吐くように説明を始めた。

「だから俺はこんなクソみたいな差別をなくしたいんだ。新血種だろうと子供たち――ましてや自分の子すら扱えないやつらを無くして、みんながみんな自分らしく生きられるそんな場所を作りたいんだよ!」

「……なるほどな。」

 ヴァルクの言いたいことは分かる。だが全員がなぜ上に立つことに固執しているのかが分からない。やれるならば法案として出せばいい話なのだから。

「だがなぜ上に立とうとするんだ?」

「じゃあ例えばの話をしよう。」

 アシェルが質問したが、言い終わらないうちに返答が返ってくる。

「お前らは法律でも出せばいいと思ってるんだろ?だがこのご時世、保守派の間抜けな王がいてまともに法律が働くとは思えない場所がある。かといってまともに働く場所では圧倒的な暴力の塊――例えば俺の母みたいなやつに法律がまかり通ると思っているのか?ならば自分が一番であることを証明できるようなことを起こして、やるのが一番じゃないのか?」

「でもそれじゃ力で支配された奴らはどうなるんだ?」

「納得させればいいんだよ。力による支配であっても、法という裁きの手段があり、安全が保障されることを証明する場を作り、その法という裁きの手段でも裁けない異物が出来たのなら力で支配した人自身が裁けばいい話だろう。」

「なるほど……」

 そう声を上げたのはパイル。

「僕自身も新血種なのはさっき言ったでしょ?ヴァルクさんほどじゃないけど、僕だって最初は虐待を受けてたよ。でも血の繋がりを証明できる検査があるから、それをすればいいじゃない。」

 納得しつつも、反論を出すパイル。ヴァルクが納得するかもと出した言葉だが、

「じゃあ、その検査をしていた――と言ったら?」

「じゃあ、君のお母さんはそれでも虐待を続けたわけ?」

「ああ、認めたくない結果を出されたところで変わらない者は変わらない。そういう奴らが俺以外にもいるかもしれないから言ってるんだ。」

 そう言ってパイルは黙り込んでしまった。

「どうだ?この意見に納得できて今じゃないが、そういうことに参加したいやつは?」

 ヴァルクの問いに手を挙げたのは、キリア、ナユタ、ニアン、パイル、ヴィエラの五人だった。

「姉としても弟を守るチャンスだし、何より、ヴァルクの提案には賛成だからな。」

「保守派もお金貰えるからいるだけでどっちが勝つかなんてぶっちゃけどうでもいいしね。でも今の考えは面白そう。」

「友達としてやりすぎな感じもするけど、意気込んでる以上、手助けしたいしね。」

「僕はなんか反論したけどそれ以上の考えでやらなきゃいけない感じがするし……」

「私はこの国の問題を見過ごせない。保守派の王もそうだけど、後々問題になりそうだから。」

 手を挙げるときに紹介した人の順に話していく。

 ノイジ、アシェルはというと、

「若干賛成だけど」

「そもそもこの人数で行けるのか?」

「もちっと人を増やそうぜ。」

 少し弱音を吐いている。

「そうか、別に無理強いはしないが、個名持ちが弱いと思えるほど、お前らは弱虫ということでいいか?」

 ただ、この言葉には二人とも頭に来たようで、

「「なんだと!?俺たちが弱虫ィ!?やってやるよ!俺たちを舐めんな!!」」

「はーい、お前らもやるんだな。まぁ、お前らの言う通り、何もここにいる人たちだけでやるわけじゃ無い。ただ、この話は他に言うな。そして、戦争中でも悟られないよう、お互いはまだ敵だ。その時まで一時解散というわけだ。気になるのならここに残れるよう、努力するんだな。」

「流石に闇雲な話じゃなかったか。」

「分かったよ。じゃあ、お迎えも来たようだし、もうお話しは終わりかな?」

「そうだな。」

「じゃ解散!」

 ノイジとアシェル、二人の言葉通り、交流会はここで終わることとなった。

 ヴァルクらは帰り道、龍車の中で先程の続きについて話し合っているようだ。

「なあなあ、お前の言ってた話はテロなのか?この国の革命について話しなのか?」

「あぁ?どっちも一緒だろ。テロが起きて初めて革命というゴールが生まれんだろ。」

「別に産業的な革命とか制度の革命とかテロ起きてるわけじゃ無いだろ……」

「んなことどうでもいいだろ。俺が考えてるのはテロなしじゃできないだろ。」

「まあそれはそうだけどさぁ……」

「とにかく、俺が予想できる範囲の話をするが、まずこの戦争は一回終わった後、もう一回起こる。」

「いちいち驚いてたらキリがないから聞くが、何でだ?」

「まず、保守派と革命派に分かれて戦争してるだろ?そこの保守派と革命派の中でも少し違う目的を持つのがいる。例えるのなら何かしらの大会に己の実力を調べる目的で来る奴がいれば、金目当てで来る奴もいる。そんなもんだ。だから例え革命派が勝っても、それぞれの目的が違うから、また戦争が起こる。俺らがやるタイミングは、その時だ。」

「ということはまだ焦らないでゆっくりしていていいってこと?」

「まぁ、そうだな。」

 そうして龍車内である程度の話はまとまった。だがこの話は、御者には筒抜けである。これから先の話になるが、なぜ御者はこのことを知っていて話そうと思えば話せたはずなのに、なぜヴァルクたちが告発されなかったのか。それを知るのはまた先の話となっていく。

 この話を書き始める少し前、感想をいただきました。感想をくれた方に失礼だと思いますので、名前の方は控えさせていただきます。

 感想をもらうのは初めてですが、本当にたくさんのことを褒めていただき、嬉しすぎて叫びかけました。今後も頑張っていきますので、どうぞよろしくお願い致します。

 感想は楽しみに待っていますので、強要というわけじゃないですが、どんどん出していってください。

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