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型破りの転生勇者  作者: ハミガキ粉
王都編
27/45

クエスト終了

ボフン


 七支刀が折れると幽霊は音とともに蒸発し、跡形もなく消えてしまった。


「た、倒せた?」


「みたいですね……やりましたよシュウキさん! 私達大手柄です!」


 2人は手を取り合って跳ねながら喜んでいた、一方カズヤは変わり果てた相棒の傍らで嘆いていた。


「相棒ォォォォォ! なんでこんな姿に!」


「ちょっとカズヤさん、空気読んでください。今は悲しむときじゃなくて、喜ぶときですよ!」


「だってお前、俺の相棒が……」


 何を行っても無駄なようで、カズヤは無視して真っ二つの七支刀を抱きかかえて泣きながら直そうとしていた。

 だがいくら繋げたところで七支刀の片割れは地面に崩れ落ち、カズヤの心をえぐった。


「もう……シュウキさんとりあえず二人で、部屋と泥水片付けますか」


「泥水はどっちがやる?」


「じゃんけんで」


 2人は動きやすいように服をまくって準備すると、じゃんけんを始めた。

 じゃんけんで負けたシュウキは渋々収納魔法を発動し、その中に泥水を投げていった。




「う……ん。一体何が……」


 2人が片付けていると気絶していた娘が、頭を抱えながら起き上がってきた。

 まだ部屋は片付け終わってなく、暴れまわった部屋の惨状を見られるとまずかった。


「カズヤさん筋肉!!!」


「おう!」


 流石に焦ったカズヤは七支刀を一旦片付け、服を脱ぎながらベッドに飛び乗った。


「うわっ。あ、触ってもよろしいのですか? ありがとうございます!」


 ベッドが大きく沈み軋んだ事でビックリしながらも、目の前に出された筋肉を夢中で触り始めた。

 カズヤが時間稼ぎをしている間に、2人はスピードをあげて迅速に片付けを終えた。


「あの……私が気絶している間、皆様に迷惑をおかけしませんでしたか?」


一段落ついた3人に娘は恐る恐る聞き出した。

 幽霊のことで何度も人を傷つけた事がトラウマなのか、ひどく震えた声でしゃべっていた。

 ミカーヤはできるだけ落ち着かせるため、優しく包み込むような声で喋った。


「大丈夫ですよ、怖い幽霊はもう私達が倒しちゃいました。安心してくださいね、また日の下で遊べますよ」


「そうなんですか……」


 娘は恐怖から開放された安堵から、ボロボロと泣き始めてしまった。

 泣きじゃくる娘を3人でなんとか落ち着かせると、3人は部屋を出てキクラの部屋へ向かった。

 キクラの部屋に到着した3人は、ノックを行い返事が帰ってくると部屋の中に入っていった。

 部屋に入るとキクラは仕事をしていて、服のデザインを考えていた。


「どうしたんですか? まだ部屋に向かってから、3時間しか立ってませんが。」


「幽霊は討伐しました、お嬢様は無事です」


 吉報を聞くとキクラは持っていた鉛筆を落とし、口元をを覆いながら喜び始めた。


「娘は助かったんですね! 流石冒険者の皆様ですわ! 可愛い上に強いなんて素晴らしいわ! こうしちゃいられない、メイドのみんなと主人を大広間に連れてきて! 娘もバレないようにコッソリね!」


 3人は言われたとおりに行動を始め、大広間へ向かった。

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