意識高い系の振る舞い
「な、なぁカズヤ……もう服は全部脱ぎかかってるけど、解決策は思いついたか……? こっちは何も思いつかねえ」
必死に解決方法を考えながら服を脱いでいたカズヤは、シュウキに言われて初めて後下着1枚だけなのに気がついた。
もう時間稼ぎは出来ないと思ったカズヤは、服を全部脱いで最後の作戦会議に出た。
「シュウキ、お前先輩達の裸1人でも見たか?」
「は? お前こんな時に何言ってんだよ! 欲情してんじゃねえよ!」
焦って余裕のないシュウキは、カズヤの狂言にイラつきを抑えれなかった。
カズヤは声が外に漏れてないか後に気にかけながら、シュウキをなだめていた。
「いいから聞けって! 見えたか?」
「わかったよ……湯気が濃くて、肌なんて全然見えなかったよ」
求めていた回答が帰ってくると、カズヤは喜びを隠しきれずにガッツポーズをした。
「俺も誰一人として見えてないんだよ! あんなに混雑していたのに、誰一人として!」
カズヤの回りくどい説明で、シュウキはまだ理解出来ていなかった。
「流石異世界だぜ! つまり俺達には、コンプラが規制されるんだ! 湯気が濃くて見えなかったのは、規制のせいなんだよ! つまりこれを利用すれば、バレない事も可能! シュウキ、俺の下腹部を横から見てくれ」
シュウキは急いで横に回り込んで、カズヤの下腹部を見た。
そこには前後ともに濃霧のように、肌色すら見えない湯気で覆われていた。
「す、すげえ! しかも前は膨らんでなくて、平らだ! どうやってんだ」
「股に挟むんだぜ! 股に挟んだ状態で、モデルのように歩けばバレる事はねえ!」
希望が見えてきたシュウキは、カズヤの言った通りに服を脱ぎ、股に挟んで準備をした。
バァァァン!!!
「なぁカズヤ、なんで今勢いよくドア開けたの?」
「決めてるシーンなんだ、堂々としてろ」
勢いよくドアが開かれた事で、メイド達の視線はカズヤ達に集まった。
そこには足を交差して凛々しく立ち振る舞った、美人と筋肉ダルマがいた。
「やっと来たか新入り! ん? その立ち方なんだ?」
待ちわびていたツガは笑顔で出迎えたが、2人の異様な立ち方に疑問を抱いた。
「あら、知りませんの? 淑女の嗜みですわよ? オホホホホ」
カズヤは高笑いしながら、シャワーの元まで変な足取りで歩いていった。