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序章
誰しも死にたいと思うことがあるだろう。僕が死んだら、周りのみんなは、反応をするのだろうか。この町はどう変わるのだろうか。
いや、大して変わりはない。わかっている。自分はちっぽけな存在だからだ。
必要とされるためには何かを成し遂げなければならない。成し遂げる過程には困難がある。そんな"困難"のせいで死にたくなるのに。それで、ちっぽけなまま死ぬ。生きるのは難しい。
「…あっ。え。まだ、死にたくない。」
僕は、こんな考え事をしているうちに赤信号を渡っていたらしい。車に轢かれた。