参拾玖:新スタイル
明けましておめでとうございます。遅くなりました。すみません。しばらく、一話からの修正をさせてもらいます。それにともない、次話の投稿が遅くなります。ご了承下さい。
藍那「しかし、もし地球の人間だった場合、少し厄介ですね……。」
町人から話を聞いた藍那達は、紹介された旅館へ向かう途中だ。
サティナ「どうしてですか?」
藍那「化学兵器があるかもしれません。」
サティナ「化学兵器?」
理想郷では、地球にはない〝魔法〟という概念が存在している。その代償に、科学などの技術は地球と比べるとかなり劣っている。せいぜい、簡易的な鍵が限度だろう。
藍那「私たちの国にもあった、魔法にとってかわる概念です。魔法を使えない人でも、それを使えば十分魔法使いに対抗できます。」
サティナ「それは…………危険ですね。しかし、その科学……を広めれば、両方を使って…………」
藍那「それはできません。」
話の途中で遮った。
サティナ「何故ですか?」
藍那「言いましたよね?魔法にとってかわる概念だと。二つを取り入れると下手をすればこの理想郷で大規模な戦争が起こり、人類が消えるかもしれません。せいぜい、神を殺す時だけの使用が許容範囲です。」
サティナ「なるほど…………わかりました。」
理解してくれて良かった、と藍那は肩を下ろした。藍那はオタクだ。魔法と科学の融合による世界の崩壊、なんてものをたくさん(アニメで)見てきた。そんなことが起これば、神云々の話では無くなってしまう。
藍那「科学で思い出しました。作りたい武器があるんです。」
藍那がサティナに話す。
サティナ「さっき危ないって言ったばかりではないですか?」
藍那「一つだけで、その上隠喩するので大丈夫です。では、作ってきます。」
サティナ「…………わかりました。」
藍那は、したいことはするのだ。
―――――――――――――二時間後――――――――――――――――
藍那「…………できた……!」
そこには、漆黒の「デネル NTW-20」があった。藍那が記憶をもとに作り出したものだ。これはアクション式アンチ・マテリアルライフルであり、素材は理想郷のユミル鉱石という非常に軽い鉱石でできている(自腹で買った)。銃弾は20mm×82mmのものを使用したものだ。
サティナ「これが、銃というものですか?」
サティナはこれが本当に強いか半信半疑のようだ。
藍那「一応、このサイズでは最強です。遠くまで攻撃できます。」
サティナに説明する藍那だが、別の事を今は考えていた。
藍那「型の名前、どうしよう…………?」
刀をとるなら二刀流だけど、銃をいれるなら二丁流?それだとガン・カタに…………いや、ここは自分で名前を…………。
そう、何故か刀と銃の二つ持ちのスタイルの名前を考えていたのだ。その数分後…………。
「よし、決めました!」
「…………‼」
行きなり藍那が大声をあげたので、サティナが転けてしまった。
「ごめんなさい。名前、決まりました。」
驚いていたサティナだが、そういうと、聞いてきた。
「それで、型の名前、決まったんですか?」
「はい。型の名前は、〝タンジェントアーク〟にします。」
タンジェントアークとは、雲を構成する氷の粒を太陽の光が通り抜ける時、光の色が分けられる現象だ。プリズムに光を当てた時に虹色に見えるのと同じものだ。




