参拾漆:サトウ
暫く忙しいです!
とりあえず、港で陸に上がる。
ここは、サトウ。
サティナ「とても活気がありますね。」
サティナはとっても機嫌が良いようだ。
藍那「そうですね。……サティナ、貴方もしかして外国に行くのが初めてで浮かれていたりして…………」
サティナ「そ、そんなわけないじゃないですか!あ!、彼処に何か美味しそうなものが、ありますよ藍那、行ってみましょう!」
サティナは、早足で八百屋に向かった。
(図星…………)
藍那は、そんなサティナを追いかける。
藍那「サティナ、待ってください。……それは?」
サティナの手には、サツマイモのような、いや、サツマイモと言い切っても良いくらい似ているものがあった。
サティナ「これ、針を持った魔物の巣にある蜜と合わせると、とても美味しいらしいですよ。」
藍那「まるでサツマイモ?…………確かに、蜂蜜と合わせると美味しいと思うけど…………毒は?」
店員「いや、毒はない。……買ってくれるか?」
藍那「では、二本貰います。」
店員「あいよ。銅貨八枚。」
藍那「有難う御座います。では。」
店員「おう。またな。」
サティナはとても、ホクホク顔だ。
サティナ「とても、美味しそうですね。」
藍那「まさか、サティナは甘党?」
サティナ「いえ、違います!」
サティナは断固拒否するが、またまた図星のようだ。
藍那「…………では、宿を見つけて食べますか。」
あまり、個人の領域に入り込んではいけない。なので、それ以上追及しない。
サティナ「ええ、そうしましょう。」
藍那はサティナのテンションがまた上がったことに、もう突っ込まない。
サティナ「では、いただきます。」
「熱いから気をつけて……」と言い終わる前にサティナはサツマイモ?口にいれ、案の定顔を真っ赤にしながらハフハフ食べる。
サティナ「と、とてもあふいですね。」
藍那「だから言おうと……まあ、良いです。いただきます。」
藍那もサツマイモ?を口にいれる。
藍那「味もサツマイモ……これ、何て言うものかわかりますか?」
サティナ「話によると、古代の勇者様が「サトゥマエミ」とよんだことからそう名付けられています。この土地の語源でもあるそうです。」
(それ、サツマイモなんじゃ……)と思った藍那だが、あえて口に出さない。
(というか、サトウって人名かと思ってた……)




