参拾陸:東の果ての島国 ナッハ神国
「私の日記」も、お願いします。
訂正しました。
藍那たちは、今、海の上で船に乗り、波に揺られていた。
藍那「うっぷ…………何故?」
何故こうなったかというと、二時間前………………
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長「勇者様、その剣、もしかするとナッハ神国の物ですか?」
藍那「ナッハ神国?」
長「ナッハ神国と言うのは、東の果てのナッハ教を信仰する島国です。唯一神『ナル・ダ・トラン・サブエ・ドラゴン』を拝めていて、鎖国しています。誰も立ち入ることはできません。どうやってその剣を手に入れられたのですか?」
藍那「いえ。嫉妬ノ刀は、私のオーダーメイドの品です。」
長「そうでしたか。」
藍那「ところで、私は入国できないんですか?」
長「私たちの拝めている神とは違うので、宗教上の理由で、難しいかと。でも、…………」
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と、言うわけで、今は船に揺られている。長の話では、遭難者を装えば、養ってくれるはずだと言っていた。
藍那「楽しみだね。やっぱり、お約束で江戸時代ってとこかな?」
そんなことを呟きながら、藍那たちは、海を進む。
サティナ「?……藍那の世界にもナッハ神国はあるのですか?」
そんな藍那の呟きが聞こえたのか、サティナが聞く。
藍那「ええ、名前は違いますけど。名前は、日本。戦争がない国です。ナッハ神国と同じ場所に位置し、白地に赤い丸がついている国旗です。」
サティナ「…………ナッハ神国とは大違いですね。ナッハ神国は、ずっと内乱が起こっています。今回行くのは、遭難者には優しいと評判の長の納める土地ですが。確か、今年三代目の長になり、名前が……トクガワ……?」
藍那「三代目だと…………徳川家光ですか?」
サティナ「確か、そんな名前だったと…………やはり、歴史に互換性があるようですね。おや?藍那、見えてきました。ナッハ神国です。」
そう話すサティナの目線を藍那が追うと、いかにも江戸時代です!と言うような光景が見えてくる。
藍那「私の知っている国そっくりです。」
サティナ「あれは、ナッハ神国の首都、『サトウ』です。」
藍那が江戸でないことに疑問を持つより、(そのネーミングセンスどうなの?)と思ったのは、言うまでもない。




