参拾弐:勝利の宴
藍那とサティナはハイタッチする。周りから歓声が上がってきた。
町人A「ウォォォォォォォォォ‼流石勇者様‼」
町人B「これも全て、創造神様のお蔭だ!」
など、様々な声が上がる。皆、これを差し向けたのは神なんて思いもしないだろう。
藍那「誰か、怪我人はいますか?治療しますが?」
一部、神のせいなのに神の成果にされたのを綺麗にスルーしながら、藍那は怪我人の治療に当たる。
藍那「我は勇者、神を……」
(ここでこの詠唱は無理だね。)
藍那「……我は勇者、皆を護る者、我は皆を癒し、細胞を活性化させ、怪我よ修復せよ『再生ノ兆候』」
こうして、詠唱の変更により効果は薄れたが、なんとか怪我人は全員治すことができた。
???「勇者様、有難う御座います。皆を代表して礼を言わせていただきます。」
そう言って出てきたのは、80位のおじいさんだった。
藍那「貴方は?」
長「私は、ここの長のマルベールと申します。是非、この後我等の宴に参加してもらえませんか?」
藍那「宴ですか?」
長「はい。我々は、争いに勝ったら宴をあげるというしきたりがあります。」
藍那は悩んだ。
藍那「…………どうしますか?サティナ?」
サティナ「私は別に、構いませんが。」
そう言いながら、サティナは宴に参加したそうにしている。
藍那「はあ……では、参加させて貰います。」
(サティナも素直に言えば良いのに……)
長「では、案内します。」




