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弐拾弐:運命の出会い
藍那は外に出たら、勢い余って誰かとぶつかってしまった。
「いたたたた……すみません、大丈夫です……」
か?と藍那が言うことはなかった。何故なら、藍那はその相手をじっと見つめていたから。そして、口を開いた。
「……大丈夫ですか?」
「え、ええ。大丈夫です。失礼ですがお名前は?」
「僕はサムです。皇帝の世話係です。」
サムは世話係には若すぎた。歳は、藍那と同じ位だろう。
「…………」
「大丈夫ですか?」
「…………」
藍那の顔が暗かった。
「勇者様、どうしましたか?」
「ハッ!ご、ごめんなさい。貴方が私の弟ににていたので。」
「そうですか。無事でよかったです。本当に申し訳ありません。」
そう言って、藍那の弟似のサムは、すたすたと去っていった。




