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拾肆:天ガ造リシ白虎
「……まさに天使ですね。かわいらしい。」
少し照れる……と、藍那は頬を桃色に染めた、その時……
グルルルルル…………
と、背後から唸り声が聞こえてきた。
「‼この鳴き声は……ここの守護獣、天ガ造リシ白虎です!」
サティナは藍那に向かって叫ぶ。藍那はすぐに詠唱に入る。
「彼方から出てきてくれるとは好都合ですね。我は勇者、神を殺す者、水素と酸素をここに集めて、蒼白い焔をここに表し、我の敵を燃やせ『青炎ノ焔』」
刹那、天ガ造リシ白虎
に青炎ノ焔が炸裂する。が、無傷で出てきた。
「なんで効かないの?」
疑問の声をあげたのは、藍那だ。
「どうやら炎系魔法への耐性があるようです。これは厄介ですね。武器での攻撃をした方が良いかと。」
「ならば……」
藍那は、授業の剣道を思い出した。そして、上段の構えをとる。
「『降下』!…………『横凪』!」
刹那、藍那は天ガ造リシ白虎の脚を二本切り落とす。
「サティナさん‼」
「ハァッ!」
サティナは首を落とし、天ガ造リシ白虎は絶命した。




