第九.五部 第七章 潜水艦
原子力潜水艦で豪華高速帆船を親父達の残存グループが追っている。
艦内の館長が座る椅子にはスコット中佐が乗っている。
その隣にシュウジとルイス中尉がいた。
「まだ、追っかけるのですか? 」
ルイス中尉が聞いた。
「補給物資にしても、次の援軍にしても最初から予定した通り、数週間後には届くだろうが、それよりもハワード大佐達を助けないとな」
シュウジが答えた。
「とりあえず、お婿さんと言う事で連れてかれたので、命の心配はいりません。まずは、補給物資を得てからの方がよろしいのでは無いでしょうか」
「いやいや、命の心配は無いけど、心は壊れるよ」
シュウジが困ったような顔をした。
「逆に男だとしたら、喜ばしい事だと思うんですがね」
原潜の艦長のスコット中佐が言った。
スコット中佐は五十前後で今回の部隊の佐官の中では一番年上だ。
「いやいや、一日百回なんて普通だもの。壊れるよ」
「百回も出来ますか? 」
「血が出るまでやって回復魔法。血が出るまでやって回復魔法だよ」
「幸せなんだか不幸せなんだかわかりませんね」
「不幸せだろ。とりあえず、子供が出来たら、二度と放してくれない。修羅の相手なんかしたら、もう兵士としては終わりだぞ。」
「それも、困りますな」
スコット中佐が苦い顔をした。
「にしても、あの馬鹿息子。凄い数のシーサーペントとリヴァイアサンも連れてるじゃないか」
親父がソナーなどを見て呟いた。
「リヴァイアサンって聖書のあれですか? 」
「ああ、本気出したら、島なんか一撃で消えるぞ」
「困ったもんですな」
「とにかく、情報も得ないといかんし、あいつらが行くところに、こちらも行くしか無いな」
シュウジが厳しい顔をして言った。
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