第九.五部 第三章 ギャ〇クティカマグナム
リンドブルムから、ルイ叔母が降りてきた。
妖艶さにさらに磨きがかかってる。
さぞかし、カルロス一世は頑張ってるのだろう。
にしても、ここのラウンジ、三階なんだけど、何で簡単に数回のジャンプで登ってこれるの?
相変わらず、異様な膂力だ。
親父を見るようだ。
「ここにいたのね」
ルイ叔母が笑った。
アポリトとクニヒト大佐がふるふると横で震えてる。
「ああ、もう、襲う事は無いから心配しないで」
そう言いながら、お腹をじっと見て言った。
「実は結婚する事になったの」
ほげぇぇぇぇぇ。
やはり、そうなるか。
むう、展開早すぎ。
カルロス一世はどうなったんだろう。
「で、結婚式には貴方達とカザンザキスさんに来てもらおうと思って」
ルイ叔母さんがテレテレしながら言った。
まあ、確かに、きっかけは最悪だけど、この人といいヒトミ叔母さんとアイ叔母さんって物凄い美女なんだよね。
まあ、幸せそうだからいいのか。
「それは、それは、おめでとうございます」
カザンザキスさんが丁寧にあいさつした。
まあ、話を聞いた時は眉をひそめてたが、それはそれ、大人の反応だな。
「つきましては、エテルノで式を挙げる事になったので、パトリダの重鎮の皆様にも参加していただこうと思って」
ルイ叔母さんが頬を染めた。
「それはそれは。是非、参加させていただきます」
カザンザキスさんも笑顔だ。
むう、こりゃ、逃げれないな。
どうしょう。
エテルノだって。
「あの。こないだの事があるんで、ルイ叔母さん、エテルノならちょっと」
ミツキが横で焦ってる。
そのとおりだ。
戦った上に、カルロス一世をいけにえにしたのは俺だから。
流石に、どの面下げて行けばいいのか。
「ああ、大丈夫よ。向こうでは大歓迎されてるから」
ルイ叔母さんが笑った。
何か、幸せそうだ。
でも、本当だろうか。
嘘くさいんだけど。
「じゃあ、いいのかな? 」
ミツキも困ったように納得した。
横でミヤビ王女も困った顔をしてる。
「では、あちらの迎賓室に行きまして、お話を詰めましょう」
カザンザキスさんがルイ叔母さんを邸宅の離れにある迎賓室に連れて行った。
元修羅とは言え、ヤマトの王族でエテルノの王妃になるなら、パトリダにとっても先々重要人物になる。
丁寧に扱って当然だろう。
「「どうするの? 」」
部屋からいなくなると、アポリトとクニヒト大佐が元に戻って聞いてきた。
「どうするも何も行かないといけなさそうだね」
「マジかよ」
クニヒト大佐が言った。
「兄弟。遠慮したいんだが、カザンザキスさんの態度見るとなぁ」
アポリトも悩んでいる。
その時、白い鮮やかなヤマト風の軍服を着た帽子を深く被っていた男が、いつのまにか、ラウンジの上に来てる。
ルイ叔母さんとリンドブルムに乗っていた男だ。
「だれ? 」
「ギャ〇クティカマグナムぅぅぅぅ! 」
いきなりの右ストレートで俺が吹っ飛ばされる。
そして、白い軍服の深く被っていた帽子を外すと、金髪が下に流れる様に腰まで降りた。
カルロス一世であった。
また、投稿時間が変ですいません。