第九部 第八章 奇襲
「何? 何の騒ぎなの? 」
俺が地下の大きな部屋で皆でくつろいでる時に爆音を聞いて言った。
「兄弟。俺が確認してみよう」
アポリトが言ってスキル索敵を使った。
「ほげげげげげげぇぇぇぇぇぇ! 」
アポリトがどっかで聞いたような叫び声をあげた。
「ど、どうした兄弟! 」
「ももももももも、猛禽だぁぁぁぁぁぁ! 」
アポリトが歯を鳴らしながら叫んだ。
「あ、あの子達、ここまで乗り込んでくるとは」
アオイが爪を噛んでいまいましそうな顔をした。
「なんじゃ、猛禽とは? 」
龍女さんが不思議そうに聞いてきた。
「ヤマトの女で、男を自分のものにする為には手段を選ばない女の人達の事です」
俺が答えた。
あちこちで炸裂音がする。
「見えるぞ、私にも敵が見える」
突然、クニヒト大佐が池田〇一さんの声に戻った。
治ったんじゃないんかーい?
やべぇ、猛禽のショックでシ〇ア大佐の声にもどったぁぁぁ!
「中に侵入されたぞ! 」
「くそっ、手ごわい! 」
アサナトの連中の叫び声が聞こえる。
「あーあー、どうしょうかな。非常用の出口を使って逃げた方がいいのかな」
俺がアオイに聞いた。
「いえ、私達が撃退します」
アオイがすんごい殺気を放った。
こえええええええ!
その時、カザンザキス邸が爆発で揺れる。
「なんだ? 」
さっきまでの爆発とは雰囲気が違うような。
「猛禽だけじゃない! 奴等だ! 奴等も攻めてきた! 」
「くそっ、猛禽を撹乱に使いやがった! 」
邸内のあちこちでアサナトの連中の叫び声がする。
「くそっ、猛禽の奴等を利用したか! 行くぞ! 」
俺が皆に言ったら、アポリトは固まってる。
「あ、こりゃ駄目か」
「私は立たないから大丈夫だ」
クニヒト大佐が池田〇一さんの声で言った。
壊れとるやんけぇぇぇぇぇ!
とりあえず、アポリトは置いといて、アオイをはじめ、カザンザキスさんも一緒に、皆で上の階に上がる。
クニヒト大佐もついて来た。
何だろう。
こいつ、壊れてシ〇アになった方が身体能力が上がるみたいだ。
上の破壊された階に上がると、遠くから猛禽と親父が罵り合っていた。
「あんたら、騙したのね! 」
ミオが叫んだ。
「後ろに馬鹿息子が出て来てんじゃないか。騙しては無いよ、嬢ちゃんたち」
親父が迷彩色をした戦闘服で完全武装しながら言った。
手にはМ4カービンを持っている。
「嘘っ」
ユイナが後ろを振り返った。
俺達と目が合う。
「こ、こんなやり方。こんなの恋じゃない」
キョウカが言った。
いや、どうだろう?
どちらも恋とは言えないと思うが。
「私は、王宮図書館で、本を持ってた時、滑って怪我しそうな時に彼に助けて貰ったの。あの日から私、彼を忘れた事無いわ」
キョウカが俯き加減で言った。
ああ、そう言えば、そんな事あったな。
ぼっちだったから、目を合わさないようにしてたから、はっきり相手の顔見てないや。
この子だったんだ。
「だから、私、彼に私の心を分かってもらおうと真剣勝負したのに……こんな、敵に利用されるなんて」
キョウカが涙を流した。
「あれ? でも、あの時はユウキ様、ぼっちだったから。普通に告白してたら付き合ったんじゃないですかね? 」
ムラサキが首を傾げた。
「ああ、多分ね」
俺が頷いた。
「えええええ! そんな恋の仕方が! 」
キョウカが驚愕してる。
他の二人もだ。
いや、普通はそんな感じでしょ。
やっばり、なんかおかしいわ、ヤマトは。
「向こうじゃ、モテなかったのに、随分モテてるじゃないか、馬鹿息子よ」
親父がこちらを見て笑った。
「ああ、いや、モテ期なのかな? 」
「いや、お兄ちゃんモテてたよ。気が付いてないだけで」
ミツキが横で笑った。
「はあ、初耳だ」
ぼっちだから、人を避けてたからな。
ここで言うなよ。
アオイとかムラサキの目が怖い。
「まあ、猛禽を使った事は謝るとは言わんぞ。これも世の習いだ」
親父が笑った。
「ああ、いや、お互い様なんで気にしないでも」
「……お前、何かやったな」
「そちらの基地が分かったんで、ちょっと強制お見合いを……」
「……猛禽か? 」
「いや、修羅で」
「修羅は反則だろうが! 」
親父が激高して騒いだ。
「なんです、修羅とは? 」
横にいる副官らしい男が親父に聞いた。
ぱっと見て普通の容姿だが、かなり筋肉質の男だ。
黒人さんのようだが、少し肌の色が薄いのでハーフかもしんない。
「ルイス中尉、猛禽が進化したものだ」
「進化? 」
「ポ〇モンでゼ〇ガメがカ〇ックスになったものです」
俺が言うとルイス中尉が深く頷いた。
「これは、ヤバイのでは! 」
ルイス中尉がマジマジと親父を見て言った。
この話が分かるんだ。
ポ〇モンすげぇ。
「く、糞、馬鹿息子が! もう基地は駄目だな! だが、このままでは終われんぞ! 」
親父がこちらを見て叫んだ。
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