第九部 第三章 対策
とりあえず、ここ数日は奇襲があるかもしれないと言う事で、アポリトが定期的な索敵をする事になった。
まあ、ミサイルで一気と言う可能性もあるので、元々城のようなカザンザキスさんの邸宅だが、本当に城のような部分もあり、かなり深く地下の岩盤の下にも部屋があるので、そちらに移動して、即座の攻撃には対応する事にした。
「獣人族は、この間ケモミミ女が親父の傘下みたいな感じだったんで、要注意にした方が良いですね」
「分かった。警吏に言って、パトリダ国内の捜査をさせよう」
カザンザキスさんが言った。
「兄弟。俺の方も、アサナトで動ける奴は、注意させておく」
アポリトも言った。
「問題はだ。うちのパトリダが軍事的にはたいしたこと無いんだよね。その辺をどうするかだな」
カザンザキスさんが困ったように言った。
「ここは、ヤマトは嫌だろうから、コンチュエに頼ってみたらどうかと思うんだが」
カザンザキスさんが提案した。
「えー? コンチュエ? 」
悩むな。
「コンチュエはこないだの事があるからちょっと気が引けるのは確かよね」
ミヤビ王女が呟いた。
「ただ、どうせ、来るとしても少数で乗り込んでくるだけだし。恐らくミサイルとかはあるだろうから、兵士を集結させたら、轟天みたいにやられちゃうだろうしね。どちらかと言うと、少数精兵の方が良いんじゃないかと」
「一騎当千の兵が欲しいと言う事ですね」
アオイが頷いた。
「そうだね。エテルノのカルロス一世みたいな人が良いんだけど、恨んでるだろうしな」
「え? カルロス一世に何かしたの? 」
カザンザキスさんがびっくりした顔で言った。
ああ、そうか、言って無かったか。
「ああ、ユウキ様の提案で、ヤマトの親戚になって貰ったんです」
アオイがニッコリ笑った。
「は? 親戚? 」
カザンザキスさんが凄い顔してる。
大体、想像つくのだろう。
「えーと……」
「いや、言わなくて良いから」
アオイが説明しようとしてのをカザンザキスさんが悲痛な顔で止めた。
「お前の親父と言い、本当にどうしてこうなったん。昔、ヤマトと言えば礼儀正しく、生真面目で素晴らしい王族だったはずなんだが」
樹老人が情けなさそうな顔をした。
「まあ、世間が悪いんですよ」
俺が破顔した。
世間のせいにすると何でもすんじゃうという、素晴らしさ。
後、家庭環境のせいにする手もあるか。
「まあ、基本、一番やばいのは父さんがお兄ちゃんと同じようなやり方すると思う。似た者同士だから」
ミツキがそう言った途端、皆が凄い顔した。
「うわ、最悪! うわ、最悪! 」
クニヒト大佐が叫んでる。
「それはヤバイね」
カザンザキスさんも深刻な顔してる。
なんか、皆、キツイな。
「と言う事で、ミツキ、また保険かけようか」
俺がミツキに言った。
「ええ、またか! 兄弟! 」
アポリトが身震いして答えた。
「いや、どうせ、親父も似たような事やるはず。このさい、躊躇したら駄目だ」
「なんか、こう、救いの無い戦いが始まる訳ね」
クニヒト大佐がぼそりと言った。
何とか、後で、もう一話投稿しようと思ってます。
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