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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第八部 第九章 決着

 俺が轟天(ごうてん)を構えながら、親父と睨み合う。

 

 さあ、どうしょう。


 多分、避けるよな。


 一応、轟天(ごうてん)は撃った後は刀として使えるから、それでやるしかないか。


 親父がM2重機関銃の銃口をビクッとさせた。


 と同時に、親父の足元あたりにある石や木なんかが親父に爆風で吹き飛ばされるように、轟天(ごうてん)を撃った。


 キノコのような爆発とともに、親父のいる前あたりが炸裂した。


 と同時に前に向けて刀を構えたまま、走る。


 この程度では、間違いなく死んでないだろう。


 逆に向こうもここで攻めてくるはずだ。


 先ほどの爆風で飛ばされた小石や砂を大量に浴びてるはずだから、重機関銃とアサルトライフルは故障を警戒して使用しないはず。


 となると刀と刀で勝負する事になるはずだ。


 タイ捨流対タイ捨流か。


 と思ったら、爆風の中から、猿叫(えんきょう)とともに蜻蛉の構えで親父が踏み込んでくる。


「げっ、示現流! 」


 新撰組の近藤勇が初太刀は避けよって言うほど、やばいやつやんけ。


 しかも、実際は初太刀を外しても連続で左右の振り下ろし攻撃が来るから、受けるのやばすぎる。


 足で、下に転がってる落ち木を蹴りあげて、親父の顔にぶつける様にして親父の初太刀を使わせた。


「ちょっと、待ったー! 示現流じゃん! タイ捨流は何処にいったの? 」


 初太刀の後、蜻蛉の構えのまま親父が助走の距離を測る様に刀を構えた。


「俺がいつ、タイ捨流しか使えないと言った? 」


「き、汚い、流派違うのかよ! 」


「最初から、本当の流派なんぞ教えるわけなかろうよ」


「え、えげつな! 」


「早く、ユウキ様、聖樹装兵(せいじゅそうへい)を着装を! 」


 アオイが叫んだ。


「駄目っ! 着装してる隙に頭を切り落とされるわ! 」


 ミツキが叫んだ。


 そう、それが正解。


 着装の数秒のタイムラグで十分、親父なら俺を殺せる。


「ほう、お前、聖樹装兵(せいじゅそうへい)を着装できるようになったのか」


 親父の殺気が強くなる。

 

 うーん。


 何という藪蛇。


「残念だな。お前が着装するところを見て見たかったが……」


 親父の殺気が強くなる。


「と、とても親子の会話には思えんが……」


 樹老人(じゅろうじん)が流石に引いてる。


「な、仲良しだったと聞いてたんだが」


 カザンザキスさんも驚いてる。


「いや、仲良しだけど」


 ミツキが答えた。


「いや、おかしいって! 」  

 

 クニヒト大佐が突っ込んだ。


 その突込みと同時に親父が距離を詰めてきた。


 と同時に俺が腰を深く落として、右膝を立てた形で親父の踏み込んで来ようとした脛を斬る。


 親父が脛を斬られながらも、致命傷にならずに皮一枚で避けて後ろに飛んだ。


「やっぱり、なんか隠してると思ったら、よりによって柳剛流かよ! 」


 親父が舌打ちした。


 柳剛流とは、幕末に名をはせた脛斬り剣法である。


 まあ、脛斬りだけがピックアップされてるが、それでも、幕末では示現流と並んで恐れられた剣法だ。


「まあ、似たもの親子だよね」


 ミツキが呟いた。


 その時、ヘリの爆音がする。


 轟天(ごうてん)の爆発音が気になったのか、親父を援護するために飛んで来たようだ。


「ちっ、馬鹿たれが! 」


 親父が激しく舌打ちした。


 戦闘ヘリアパッチはこちらへの攻撃態勢に入る前に龍女(りゅうじょ)の攻撃で爆発四散された。


「っったく、喧嘩慣れしてない連中だ」


 親父が苦笑いを浮かべる。


 爆龍王ゴウオウが滅茶苦茶にやられて怒り心頭に達した龍女(りゅうじょ)が両手を広げた。


「待て! 龍女(りゅうじょ)さん! 蒼穹船(そらふね)は飛ばすなっ! 」


 俺が叫んだ。


 龍女(りゅうじょ)さんがびくっとした。


「親父の狙いはそれだ! 恐らく、核ミサイルで狙ってるはず! 場所がどこにあるか知らせるな! 」


 俺がさらに叫んだ。


「核ミサイルって一撃で大陸を破壊するとか言う奴ですか? 」


 アオイが動揺してる。


「ちっ、やっぱり、お前が一番厄介だ」


 親父が薄笑いした。


「引いてくんないかな? 」


 俺が親父に言った。


「なるほど、潮時と言う事か」


 親父がにやっと笑った。


 親父がジリジリと後ろに下がる。


「まあ、追いかけては来ないわな」


 言いながら、森の中に親父が飛び込んだ。


 俺がふうと一息ついた。


「追え! 何故、追わない! 」

 

 爆龍王ゴウオウがぐちゃぐちゃの口で叫んだ。


「追ったら死ぬぞ」


 俺が爆龍王ゴウオウに言った。


「罠だから、絶対追ったら駄目」


 ミツキも止めた。


「親父はいつも誘い込んで潰すんだ。 絶対勝てないから追っかけたら駄目」


「本当に、どんな家族なんじゃ」


 樹老人(じゅろうじん)が頭を抱えた。

 

 

 



 


 


 


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