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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第八部 第八章 親父

 樹老人(じゅろうじん)が緊急事態なので、力を相当使うが仕方ないと言う事で、全員を龍女(りゅうじょ)がいる島にテレポートさせた。


 目の前で本当に爆龍王ゴウオウが苦戦してる。


 もう、爆龍王ゴウオウの口元がズタズタだ。


 爆龍王ゴウオウの口の中が弱点だったんだ。


 こんな手があったとは。


 樹老人(じゅろうじん)が機関銃と言うから、何かと思えばM2重機関銃だ。


 テレビ映画なんかだと、軽く見られてるが、現実にはトラックだってミンチに出来る。


 通常の人間が一人で持って撃てるようなものでは無いのだが。


 ミツキがM2重機関銃を腰だめで構えてる人間に叫んだ。


「お父さん! やめて! 」


 しかし、親父は攻撃を辞める気配が無い。


 完全にここで爆龍王ゴウオウを終わらす気だ。


 俺が目の前に轟天(ごうてん)が転がってるのを見て、即座に飛びついて、抜いて構えた。


「構えっ」


 俺が轟天(ごうてん)を構えたのを見て、親父がM2重機関銃を撃つのを止めた。


 親父の背中に刀かけてあるのと腰に銃床が折りたたみ式のМ4カービンをしょっている。


 М4カービンはアメリカのアサルトライフルだ。


 M2重機関銃の弾が尽きたら、М4カービンで対応する気なんだろうな。


 一応、接近戦用に刀も持ってきたと言う事か。


 これだけ所持してて、M2重機関銃を腰だめとか……相変わらず普通の膂力ではない。


 親父がM2重機関銃の銃口を下に向けた。


「やっと来たか、馬鹿息子が」


 親父が俺を見て言った。


 だが、笑ってない。


 殺気はそのままだ。


 銃撃がやんで、ほっとしたのか爆龍王ゴウオウが膝をついた。


「信じがたい。たった一人の人間があちらの武器があるとはいえ、爆龍王ゴウオウをここまで追い詰めるとは」


 樹老人(じゅろうじん)が本気で驚いてる。


「やはり、生きてたんだ」


 ミツキがうるっとしてる。


「当たり前だ。死んだように見せた、あれは偽装だ」


 親父の殺気が消えない。


「やばいな。本気で殺す気のままだ」


 俺が呟いた。


「兄弟。向こうの森の中にこないだのタンカーに乗ってた空飛ぶ奴がある」


 アポリトが小声でスキル索敵の結果を教えてくれた。


「だろうな。殺気が消えない。立ち位置が向こう側って事だ」


 俺が小声でアポリトに答えた


「どうせ、馬鹿息子のお前がやったんだろう。お前が豆柴モドキを送ってきたせいで、世界が大混乱だ」


 親父が憎々しげな顔をした。


 なんだ、バレバレやんか。


「まて、お主はこちら側の人間でないのか。なぜ、我らに敵対する」


 樹老人(じゅろうじん)が言った。


「俺はこちらの世界に飽き飽きしてたんだ。だから、戻ってくる気も無かった。だから、そのまま縁を切ってくれれば良かったんだ。それなのに、その馬鹿息子みたいなものを産まれさせやがって」


 親父が歯軋りするような顔をした。


「馬鹿息子はこちらの世界の味方をするようだな。ミツキはどうなんだ? 」


 親父がミツキをじっと見た。


「わ、私は……助けても貰った恩を返すだけ……」


 ミツキ迷ったようだけど、答えた。


「俺はズバリ流されてるだけ」


 俺が胸を張った。


「おいおい、酷いな」


 クニヒト大佐が呟く。


「流されてるだと? 豆柴モドキであれだけの事をしでかしてか? 」


 うーむ。


 やっぱり、それなりにあったのね。


 怖いので聞きたくない。


「家族が死んだことになった後、ずっとぼっちだし。生きてくのに必死で、流されていく以外方法が無いし」


 俺が言い返した。


「なるほど、俺のせいだと言う事か? 」


「いいや、親父には親父の都合があったんだろうし、俺には俺の都合があるし、いちいち敵だ味方だと言われたって困るって事が言いたかった」


「なるほどな」


「まあ、一つだけ言えるなら、ヤマトを滅ぼすならどうぞ」


 俺が凄いいい笑顔をした。


「おいおいおいおいおい! 」

 

 クニヒト大佐が突っ込んだ。


「やっぱり、兄貴とか弟とかにいろいろやられてんのか」


 親父が少し笑った。


「無茶苦茶やられてるよ」


「そうか」


 懐かしそうな顔を親父がした。


「……さて、どうするか。俺は引く気が無いが」


 親父が俺を睨む。


「俺も引けないよ。残念だけど」


 俺が本当に残念そうに答えた。


「じゃあ、仕方ない。殺しあうか」


 親父が言って俺が頷いた。


 ミツキもしょうがないって顔してる。


「え? そう言う結論になるの? 」


 カザンザキスさんが驚いてる。


「お前等、どういう家族なの? 」


 樹老人(じゅろうじん)も呆れて言った。


 

 



 

 


 

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