表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
72/2596

第八部 第二章 離船

 とりあえず、説教も中略し、豪華高速帆船の舳先に立ってみると、ぞくりと嫌な予感がしたのだ。


 この感じはコンチュエか?


 と思った俺はミツキにワイバーンで先に偵察に行って貰うことにした。


 ぼっちの勘は良く当たるのだ。


 そのミツキがワイバーンで帰ってきた。


「お兄ちゃんの勘が当たりだわ。エテルノとの戦いの件が知れ渡って、港で救世主待ちがちらほら出てる」


 ミツキがワイバーンを降りながら言った。


「マジか! 」


「まあ、コンチュエは経済と軍事では世界でも大国の一角だしね。情報も早いと言うことね」


 ミヤビ王女が笑った。


「さて、どうしょう。また、こないだのノリは嫌だなぁ」


「「「「ああ、確かに」」」」


 アポリト以外が頷いた。


「え? 兄弟が逃げた件か? 」


 アポリトが聞いてきた。


「いや、それ以外にも、いろいろ変に歓迎されすぎちゃって、心が皆折れたの」


 俺が答えた。


「なるほどな。大げさにされるとしんどいものなぁ」


 アポリトが頷いた。


「とりあえず、ワイバーンで一気にパトリダに戻る? 」


 ミツキが提案してきた。


「それが無難かなぁ」


 俺が呟いた。


「なんじゃ、歓迎くらいうけてやらんか」


 樹老人(じゅろうじん)が笑った。


「いやぁ、救世主様だーなどと自分で言う気になんないし。そもそも器じゃない」


 俺が樹老人(じゅろうじん)に笑って答えた。


「変なとこで殊勝なんじゃな」


 樹老人(じゅろうじん)が呆れ顔だ。


「いやいや、自分は単なる商人ですし」


 俺が笑った。


「いや、それも、凄く困るんじゃがなぁ」


 樹老人(じゅろうじん)が悩んでる。


「とりあえず、アオイ。このままワイバーンで出ていくから、お金と御礼だけしたいから船長を呼んで来てくれ」


 アオイが船長を呼んでくると言うか、船長もこちらの様子を伺ってたみたいで、すぐに来た。


「やはり、ここからお出になられますか? 」


 船長が聞いてきた。


「すいません。いろいろと助けていただいて感謝いたします」


 言いながら、お金の入った革袋を渡そうとした。


 何しろ、ヤマトとのスーパーの件で遣おうと思って、ある程度持ってきてたのだ。


「いえ、エヘクトルから守っていただきましたし。こちらもお世話になりましたので、それはいいです」


 船長が固辞した。


「いえ、これからまたお世話になる事も必ずあると思います。そういう事はお気になさらないでください」


 言いながら、無理矢理、大目にお金の革袋を渡した。


 船長は困ったような顔をしたが、ちょっと考えて、お金を受け取った。


「では、また何かありましたら、誠心誠意お手伝いさせていただきます。これはありがたくいただいておきます」


 船長が笑顔で言って手を差し出して来たので、握り返して握手した。


「その時はよろしくお願いいたします」


 俺も笑顔で答えた。


「こういう事はちゃんと出来るんじゃの」


 樹老人(じゅろうじん)が嫌味っぽく言った。


「だって、商人だもの」


 俺が答えた。


「だから、それじゃあ、困るんじゃがのう」


 樹老人(じゅろうじん)が困った顔をした。


「兄弟。ワイバーンで行くとして、とりあえず近隣を用心に索敵しておくか? 」


 アポリトがパトリダの方を見た。


「ああ、頼む。兄弟」


 俺がアポリトに頼んだ。


「あれ? 」


「どうした? 」


「あのだいぶ先の小島にぼっち仲間がいるぞ? 」


「そうなのか? 」


「ああ」


「ぼっち仲間? 」


 ミヤビ王女が聞いてきた。


「ああ、テーラで義兄弟になる様に誘ったんだが、照れて逃げちゃってな」


「へー」


 ミヤビ王女が頷いた。


「じゃあ、兄弟、もう一度、義兄弟になるように言いに行くかな」


 俺がアポリトに言った。


「うむ。ぼっち同士は堅く結ばれてるものだからな」

 

 アポリトも笑顔で答えた。


 






 すいません。本当に仕事のからみで一部の日が投稿時間が変になるんですいません。


 どうか、引き続き読んでくださいますようにお願いいたします。 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ