第六十四部 第七章 別荘
ヘリに乗り込んで三機でその別荘のあるあたりへ向かった。
許嫁達も全員ついてくる。
別荘が見えてきた時に異変が起こった。
突然、全部のヘリが不調になる。
「何か、仕掛けて来てるのが居ますね」
アオイが何らかの障壁をかけた。
ヘリの異常は止まったが、どうも変な感じがする。
「少し離れて降りた方が良いかも」
俺が提案した。
「あれ? びびってんの? 」
クニヒト大佐が笑った。
「いや、その方が良さそうだな」
親父が答えた。
「うん。凄い血のにおいと言うか気配がする」
俺が呟いた。
「わしもだ」
祝融さんが頷いた。
途端、ヘリの中がぞっとしてる。
「やはり、来たら駄目なんじゃないのか? 」
チアンウェイ焦ってる。
横で、ジョアンが凄い顔をしてる。
「何か、昔、あの屋敷で何かやった馬鹿がいるみたいだね」
ゼブが答えた。
「蠱毒かな? 」
カガが続いた。
「何かを開こうとしたみたい」
ゼブが皆を見回した。
「帰ろうか? 」
俺が笑顔で答えた。
「そうだな」
親父も頷いた。
「え? 私の度胸試しは? 」
ジョアンが青くなりながらも聞いた。
「いや、やばいと思ったら関わらないのも大事だぞ。君子危うきに近寄らずと言う訳だ」
祝融さんが良い笑顔だ。
「いや、でも、攻撃しちゃいましたよね。敵認識されてますよ」
アオイが俺達をじっと見た。
これは困った。
藪を突いて蛇が出ると言う奴か。
「そのとおりだな」
親父が頷いた。
「あ? 喋ってた? 」
「ああ」
なかなか治らないな。
「どうする? 」
祝融さんが聞いてきた。
「これは、あれですね。藪ごと焼き払うと言う」
俺が答えた。
「全部灰にするしか無かろう」
親父も頷いた。
「結局、それかよ」
カルロス一世が呆れ顔だ。
「別に、この島は無くなってもいいんだよね」
俺がチアンウェイに聞いた。
「ああ、駄目だ。出て来たね」
ゼブが呟いた。
古びた別邸から女主人のような人が出てくる。
「なんだあれ? 」
俺が聞いた。
赤い昔の中国の高貴な人が着る服を着てる。
「あれ、赤いの血だな」
親父が呟いた。
言った途端、ヘリの中のジョアンとかカザンザキスさんがぞっとする。
「門を守ってるんですかね? 」
アオイがじっと見て答えた。
「門? 」
「ええ、どうも亡くなった人が行く世界との門があるみたいです。それを破る為に、蠱毒を屋敷の人間を使ってやったみたいですね」
アオイがじっと見てる。
「門があるから、破壊はお勧めしないね」
ゼブも続いた。
「何で、そんなもんが……」
俺が唖然とした。
「一旦、降りますか。きっかけがあれば開くようになってるので、このままにしとくのまずいかもしれません」
アオイが言ったので、ヘリを降ろすことになった。
あまり、危険に近づくのは嫌なんだが。




