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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第七部 第八章  ココドウリロ

 俺達の乗る豪華高速帆船の前方に回り込むように船団が現われる。


 ワニの旗を持った、エテルノのカルロス一世が率いるココドウリロだ。


「参ったな、2日あったとは言え、先回りしてくるのか」


 俺が呆れたような声を出した。


「船首の舳先にスキル操船を持ってる連中がいるの。こないだのファウロスのスキル操船高速移動はレアだとは思うけど、それでも何人か持ってるのはいるでしょうね」


 ミツキが鋭い目でココドウリロの船団を見た。


「兄弟。見事に軍船がばらけて来てるな。轟天(ごうてん)を警戒してるようだな」


 アポリトもココドウリロの船団の動きをじっと見た。


「兄弟。索敵ではどうなの? 」


「だいぶ後ろの方に百のスカイマンタが高空にいる。それと、海底にばらけたココドウリロの船の下に一体ずつワニのモンスターがいる」


「全部の船にか? 」


 俺が呆れたように聞く。


「ああ」


「まあ、厳しいようなら、わしが手伝うぞ」


 樹老人(じゅろうじん)が言った。


「いや、保険も掛けたし、何とかなるでしょ」


 俺が笑って答えた。


「また、エグイ事を考えてるだろう」


 クニヒト大佐が横で突っ込んできた。


「民間船を軍船で襲うような奴なんて、どうなっても仕方ないだろ」


 俺が笑いながら答えた。


「二人とも、どうなの? 」


 俺がアオイとミツキに聞いた。


「ワニは難しいね。なんか、プロテクトかけてるみたい」


 ミツキが答えた。


「プロテクトもあるけど、特殊な交配で特別に作り上げたワニですね。多少は止めたりできますけど、それ以上は無理ですね」


 アオイはもう少し詳しく解説してくれた。


「スカイマンタは? 」


「「行けると思う」」


 アオイとミツキが答えた。


「わざわざ、モンスター連れてきちゃうところが駄目だよね」


 俺が笑った。


 ココドウリロの船から船鐘が次々と鳴る。


 恐らく開戦の合図だろう。


「じゃあ、スカイマンタをぶつけていこうか? 」


「「はい」」


 ココドウリロの船に次々と後方にいた敵方のスカイマンタが突撃していく。


 そんな中でもココドウリロは強いと言われてるだけあって、突然味方のはずのスカイマンタに攻撃されても慌てずに、皆でそれを撃退していく。


 さすがに数隻は沈んだが、それでも士気は落ちてない。


 そんな中で、ココドウリロの旗艦らしい船がこちらに向かってくる。


 舳先にギリシャ神話風の服を着た、金髪碧眼の長身の男が胸をはだけさせながら立っている。


「あれが、エテルノのカルロス一世よ」


 面識があるのか横のミヤビ王女が指差した。


 うわぁ、こいつがカルロス一世か。


 たしかに凄い美形だが耽美系だなぁ。


 本当に俺とあわなさそう。


 カルロス一世の横にこないだのエヘクトルのファウロスがいる。


 ココドウリロの旗艦が二百メートルくらい先に止まった。


「貴公が救世主とやらか? 」


 こちらを遠くから値踏みするように見る。


 とりあえず、クニヒト大佐を出そうとしたら逃げやんの。


「自分では救世主とは思ってないけどね」


 俺が仕方なく答えた。


「今日の戦い方を見せて貰った。なるほど、結局、モンスター使いだな。うちのスカイマンタを操ったのは褒めてやる」


 うは、上から目線でやんの。


 そりゃ、こっちはしがない商人だけど。 


「では、これはどうかな? 」


 エテルノのカルロス一世が懐から宝玉を出した。


「あれはすべてのモンスターの動きを止める獣王玉(じゅうおうぎょく)! 」


 樹老人(じゅろうじん)が突然現れて、横で叫んだ。


 えっ? 


 何、そのチート。


「貴公の戦歴を見ると分かるが、モンスターが居なくてはどうにもならんようなので、用意させて貰った。これで、我らのモンスターも使えぬが、そちらも使えぬ」


 カルロス一世が楽しそうだ。


 ちょっと、困ったかな。


「これはチャンスじゃ」

 

 横で樹老人(じゅろうじん)が俺を見た。


「チャンス? 」

 

 俺が樹老人(じゅろうじん)を横目で見た。


「お前が今こそ、奴らの悪しき心を攻めるのじゃ」


 樹老人(じゅろうじん)が真剣な目をして言うので、お金で? とか良く言い返せなかった。


「とりあえず、どうすれば? 」


「強く念じるのだ。強く念じて、あちらに手を開いてかざして、彼らの心を攻めるのじゃ! 」


 樹老人(じゅろうじん)が強く俺に言った。


「分かった。やって見るか」


 俺がカルロス一世とファウロスに向けて、手をかざした。

 


 


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