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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第六十二部 第三章 遭難

「いててててててて」


 まさか、こんな事が起こるとは。


 たまたま、ちゅ〜るをケモミミ族に渡すために一緒に運んでたヘリが堕ちた。


 俺とアオイ達や国王達が乗っていたのだが、海の中に落ちたので彼女達が死ぬとは思えないが、どうなったのか分からん。


 轟天と普段から持っているサバイバル用の簡易セットはあるので、とりあえず、傷の消毒をした。


「最近、回復魔法でやってたから、久しぶりだな消毒とか」


 周りを見回すと小島がいくつもあって、どこがどうなのか分かんない。


 さて、多分、探しに来るとは思うから、それまで待つか。


 アオイ達は大丈夫だけど、パイロットさんは無事かな。


 潜って探したいところだが、思ったより海が荒れてる。


 国王達はどうでもいいや。


 親父は生きてるだろうし。


「まあ、どうしようも無いか」


 独り言を言うと、水をとりあえず探すことにした。


 でも、案外簡単に山から湧水が出てるのが見つかった。


 とりあえず、水を飲んで、ここに居るのが分かるように流木とかでサインを砂浜に作った。


「暗くなる前に簡単に寝場所作らないとな」


 辺りを見回すと、木をいくつか持って来て組んで葉っぱを乗せて屋根を作る。


 こういうのは親父と一緒にサバイバル訓練やってたから簡単だ。


 後はたき火がと、辺りを触ると、妙な事に気が付く。


 何か、遺跡に居た時のような気配だ。


 何かあるのだろうか?


 正直、この辺りは昔のコンチュエがあった辺りだから、何があってもおかしくないが。


 思いながら、火を起こした。


 濡れた服を乾かさないといけないからだ。


 寒かったら最初にしたのだが、とりあえず、暖かいので着たままで結構乾いている。


 サバイバルの簡易セットは自分で作った奴だから、手抜きで百円ライターが入ってる。


 着火部分から火花が出る古いタイプだ。


 ガスが無くなっても、こっちを使えるからこれにした。


 火を焚いてると、バサッと音がしてアオイとミツキが山から下りてきた。


「やはり、御無事でしたか」


 アオイが優しく笑う。


「多分、お兄ちゃんならたき火すると思って見てて良かったよ」


 少し薄暗くなった所で見つけたのだろう。


 流石にミツキも同じサバイバル訓練をしただけはある。


「無事でよかった」


 言って抱きしめあった。


「とりあえず、リヴァイアとかに連絡頼みましたから、明日の朝には助けが来るでしょう」


 アオイも笑った。


「じゃあ、今日は皆でキャンプファイアーだね」


 ミツキが笑った。


「流石に早いですね」


 パイロットさんが下に降りてきた。


 無事だったらしい。


 良かった。


「じゃあ、晩御飯は期待してて」


 ミツキが腕を捲った。


「美味しいご飯を作りますね」


 パイロットさんが突然に気絶した。


 この展開は考えてなかったぁぁああぁああぁぁぁぁ!



 

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