第六十二部 第三章 遭難
「いててててててて」
まさか、こんな事が起こるとは。
たまたま、ちゅ〜るをケモミミ族に渡すために一緒に運んでたヘリが堕ちた。
俺とアオイ達や国王達が乗っていたのだが、海の中に落ちたので彼女達が死ぬとは思えないが、どうなったのか分からん。
轟天と普段から持っているサバイバル用の簡易セットはあるので、とりあえず、傷の消毒をした。
「最近、回復魔法でやってたから、久しぶりだな消毒とか」
周りを見回すと小島がいくつもあって、どこがどうなのか分かんない。
さて、多分、探しに来るとは思うから、それまで待つか。
アオイ達は大丈夫だけど、パイロットさんは無事かな。
潜って探したいところだが、思ったより海が荒れてる。
国王達はどうでもいいや。
親父は生きてるだろうし。
「まあ、どうしようも無いか」
独り言を言うと、水をとりあえず探すことにした。
でも、案外簡単に山から湧水が出てるのが見つかった。
とりあえず、水を飲んで、ここに居るのが分かるように流木とかでサインを砂浜に作った。
「暗くなる前に簡単に寝場所作らないとな」
辺りを見回すと、木をいくつか持って来て組んで葉っぱを乗せて屋根を作る。
こういうのは親父と一緒にサバイバル訓練やってたから簡単だ。
後はたき火がと、辺りを触ると、妙な事に気が付く。
何か、遺跡に居た時のような気配だ。
何かあるのだろうか?
正直、この辺りは昔のコンチュエがあった辺りだから、何があってもおかしくないが。
思いながら、火を起こした。
濡れた服を乾かさないといけないからだ。
寒かったら最初にしたのだが、とりあえず、暖かいので着たままで結構乾いている。
サバイバルの簡易セットは自分で作った奴だから、手抜きで百円ライターが入ってる。
着火部分から火花が出る古いタイプだ。
ガスが無くなっても、こっちを使えるからこれにした。
火を焚いてると、バサッと音がしてアオイとミツキが山から下りてきた。
「やはり、御無事でしたか」
アオイが優しく笑う。
「多分、お兄ちゃんならたき火すると思って見てて良かったよ」
少し薄暗くなった所で見つけたのだろう。
流石にミツキも同じサバイバル訓練をしただけはある。
「無事でよかった」
言って抱きしめあった。
「とりあえず、リヴァイアとかに連絡頼みましたから、明日の朝には助けが来るでしょう」
アオイも笑った。
「じゃあ、今日は皆でキャンプファイアーだね」
ミツキが笑った。
「流石に早いですね」
パイロットさんが下に降りてきた。
無事だったらしい。
良かった。
「じゃあ、晩御飯は期待してて」
ミツキが腕を捲った。
「美味しいご飯を作りますね」
パイロットさんが突然に気絶した。
この展開は考えてなかったぁぁああぁああぁぁぁぁ!




