第六十二部 第二章 ニコライさんの帰還
ニコライさんがかなりやつれた感じで三十人くらいのアマゾネスに運ばれている。
「貴方達は? 」
アナスタシアさんが聞いた。
「「「「「「「「「「「「「「「「妻です」」」」」」」」」」」」」」」」」
アマゾネス達が胸を張って答える。
それを聞いて、さらにげっそりとニコライさんがする。
おおおおお、良い感じだ。
「妻ですって……貴方達がその……したんでしょ? 」
「「「「「「「「「「「「愛してるからです」」」」」」」」」」」」」」」」」
見事にアマゾネス達が言いきった。
ほぅと言う感じでアナスタシアが優しい顔をした。
ニコライさんが凄い顔を一瞬したが、仏様のような顔でアマゾネスの妻たちに連れられて行った。
「見た感じ、いちゃいちゃ妻がたくさんでハーレムで楽しそうに見えるんだが、違うんだよな」
親父が囁くように言って来た。
「一人一人が多分、ニコライさんより強いよね」
俺が言うとアポリトが横で身震いした。
アマゾネスも修羅と同レベルってのはマジっぽいな。
軽やかな動きだけど隙が無いわ。
「まあ、同感だな」
親父が横で笑った。
「また喋ってたかぁ」
親父達が頷いた。
「ちょっと回数が凄かったみたいでな。嬉しかったんだろう。アマゾネス達が禁忌の回復の舞を使ったらしいんだ」
ホアンの兄貴が申し訳なさそうに答えた。
「「「「「か、回復の舞? 」」」」
「ああ、種馬の男を殺してしまうから、今は禁じていたのだが、円陣を組んだときに真ん中で一人が踊るんだ。そうすると、際限なくあそこが立って出来るんだ。厳しく禁じてたのに……」
「あ、それ、俺やられたわ」
そう言えば、こないだ円陣で踊ってた。
何だろう、この儀式とか思ってたんだけど。
「おおおおおおい、マジか? あれをやられるとガリガリになるまで続くんだぞ。ニコライはたまたま途中で折れたので助かっただけだ」
ホアンの兄貴が衝撃を受けている。
マジか。
皆の目が辛い。
「あ、そういや、俺ん時も変な舞をしてたわ」
カルロス一世が叔母さんの話をした。
「俺の時もだ」
「俺も」
和真もクニヒト大佐も凄い顔してる。
「あれは、豊穣の舞です。猛禽と修羅に伝わる妊娠を促進する舞です」
いつのまにか、レイナさん達も甲板に上がって来てて教えてくれた。
「「「妊娠を促進って……」」」
カルロス一世達の困惑が凄い。
「猛禽と修羅は妊娠率を高める方向に精通してますが、アマゾネスは回数を増やす方向に精通しているのです。どちらが良いか優劣の問題では無く、文化の違いでしょうが」
「……妊娠の舞って……あれ? あの踊り? 」
レイナさんやキョウカさんが真っ赤になった。
ほんげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ。
怖いよ。
怖すぎるよ。
「そうか、<終末の子>は双方のミックスだもんな」
ホアンの兄貴が同情するような顔をした。
すいません、泣きそうなんですけど。




