第六十二部 第一章 プロローグ
クアムが帰ったあと、とりあえず甲板の酒を始末した。
爆龍王ゴウオウが俺が啜るから置いておいてくれって叫んだのを無視した。
マジでのんべぇじゃないか。
こぼれた酒まで飲みたがるとは。
それを無視してモップで許嫁達と酒を拭いてると、横で爆龍王ゴウオウが静かに涙を流してた。
「えええええ? 」
「すげぇな。本当の酒飲みだ」
親父が笑ってる。
「だから、午後には酒樽来るから」
俺が爆龍王ゴウオウに言う。
「その間は、俺にどうしろと」
「寝てたら? 」
俺が答えたらぶちぶちと言いながら横になった。
本当に寝るんかい。
どうしょうもないな。
雷龍さんも横で呆れてる。
「親分、ガレー船が来てるぞ」
また、鳳凰の子供達が言って来た。
親分と呼ぶのをやめて欲しいんだが。
「ローテーションじゃ無いよな」
俺がアオイに聞いた。
「ええ、まだ早いです」
「何だろう」
そしたら、ザバリとホアンの兄貴が甲板の上に飛びあがってきた。
「ホアンのあにきぃぃぃぃぃぃい! 」
俺がホアンの兄貴に呼びかけた。
「ちょっと、大変な事になってしまってな」
ホアンの兄貴がすぱりとサングラスを外した。
「大変な事? 」
「ニコライのあれが折れちゃった」
ホアンの兄貴がひそひそ声で言った。
「「「「「「「「ひいぃぃぃいいぃぃぃぃぃ! 」」」」」」」」」」
それが皆に聞こえたようで、親父達が前を抑えて叫ぶ。
「な、何が一体? 」
「張り切ったアマゾネスが車掛りの円陣でぽきりとだな……」
「「「「「「ひぃぃぃぃいいいぃぃぃい? 」」」」」」
「いや、それは回復魔法で治ったんだが。彼の心が折れてしまって」
やばい。
流石に心が引ける。
「だ、大丈夫なの? 」
アナスタシアが叫んだ。
「とにかく、静養させてやってくれ」
ホアンの兄貴が頭を下げた。
「ほら、うっかりニコライさんの名前を言うから」
アナスタシアが俺に怒る。
「いや、すまん」
言いながら、ふと見るとカザンザキスさんが凄い顔してる。
おやおや。
「我が君、革命には流血はあたり前ですぞ」
孔明が真横に来て声を潜めて言った。
むう、ロベスピエールみたいなものか。
恐ろしや。
しかし、あのたくさんのピチピチのアマゾネスの美少女達にいたわれるように運ばれてくるニコライさん見ると、とてもそうは見えないのが悲しいな。
誤字報告ありがとうございました。(。v_v。)ペコ




