第六十一部 第七章 エピローグ
「しかし、人間の世界ではスライムが人気だと聞いたが」
クアムが反論して来た。
「スライムって、あれか? こないだ向こうの世界に戻ってた時にアニメがあったな」
親父がドン引きながら答えた。
「でも、あれ、人間の姿してますよね」
宰相が突っ込む。
「では、同じでは無いか」
「「「「「「可愛くない」」」」」」
親父達が断言した。
「何ぃぃぃいいいいいぃぃぃぃぃぃ? 」
何か知らないが凄く悔しかった様子だ。
何だろうな。
「とりあえず、俺はちょっとごめんだな」
まさかの爆龍王ゴウオウの衝撃のえんがちょ宣言。
すげぇぇぇぇぇ。
インパクトあり過ぎだ。
クアムが凄い顔で歯軋りしてる。
「良かろう。次は可愛さのアピールで行くぞ。本当の可愛さと言うものがどう言うものか貴様らに見せてやる」
クアムが宣言した。
いや、それやるとせっかくの黒幕のイメージが……。
まさかの女子高生とかに化けられたら、まさかのエロ漫画じゃないか。
「ええっ? 女子高生とか駄目なの? 」
クアムが衝撃の顔をした。
「あ? 喋ってた? 」
俺が聞くと皆が頷いた。
「難しいな」
クアムが悩んでる。
「待って、待って、せっかくの対決イメージが台無しじゃね? 黒幕なんだから、もう少し考えようや」
俺が必死に反論した。
「だがな。黒幕。ラスボスと言うものは、敵に貶されたらそのままにしておかない筈。少なくとも私はそう思う。だからこそ、そのままにはしておけんのだ」
クアムが静かに反論した。
正論と言えば正論かも知れないが。
それが可愛さってどうよ。
「まあ、待て。お手並み拝見と行こうじゃないか」
親父か良い笑顔だ。
「わしも、彼の本気を見てみたい」
祝融さんも優しく笑った。
「「「「わしらもだ」」」」
国王達が頷く。
あかん、これ楽しんでるだけだ。
もう、ラスボス設定どこ行ったよ。
「心配するな。俺は銃を一度も撃って無い」
クニヒト大佐が良い笑顔だ。
「お前が言うなよ」
また、喋ってたのか、涙が出そう。
「良かろう。刮目して待て! 」
クアムが消えた。
「あ、どっかで見たようなデジャブが」
俺が眩暈がした。
「ファウロスと同じ事言って消えたな。兄弟」
アポリトが言った。
「良かったじゃないか。ライバル復活だ」
親父が良い笑顔で俺の肩をポンと叩いた。
いや、嬉しくないよ。
なんだよ、これ。
さっきまでの殺し合いがどこ行ったんだ。
「いつもの事じゃん」
カルロス一世がにっと笑った。
又、喋ってたのか。
笑えねぇ。




