第七部 第七章 果たし状
ミツキが手紙の筒を開けて、読みだしてから顔色が変わる。
「ちょっと、果たし状じゃない! しかも、エテルノのカルロス一世だって! 」
ミツキが驚いたように叫んだ。
「誰? 」
俺が素で聞いた。
「海戦では天才って言われてるわ」
ミツキが教えてくれた。
「後、超絶美男子とかも言うわね」
ミヤビ王女も続いて言った。
「あれ? 浮気ですか? 」
アオイがミヤビ王女に笑った。
「ちょっと、何でそうなるのよ」
ミヤビ王女が照れくさそうに怒った。
「大丈夫じゃないですかね? 薬をユウキ様に飲ませる前に、貴方は一緒に部屋に入るの? ってアオイさんに聞かれて、耳たぶまで真っ赤にして、行くとか言ってましたし」
ムラサキが言うと、ミヤビ王女が本当に真っ赤になった。
「おーい。やっぱり、狙ってやったのかよ」
俺が呆れた。
「いえ、私は本当にほんのちょっとだけ飲み物に入れたんですよ、精力剤。お父様が送ってきたものだし、危ないと思って。でも、疲れてらっしゃったから仕方ないかと思って」
アオイが答えた。
「そしたら、ミツキさんがドパドバ入れたの」
ムラサキがミツキを指差した。
ミツキがか!
「はあああああ、あんたもドバドバいれたじゃないの」
ミツキがムラサキに反論した。
「結局、一瓶入れちゃったんですよ」
アオイが冷静に笑った。
「いや、それなら、俺に渡さなかったら良かったんじゃない? 」
俺がアオイに引きつった顔で答えた。
「いや、だって、私はやってないし、ある意味、これは事故ですから」
アオイが笑顔だ。
「あの、あの、私、耽美系嫌いだからね」
ミヤビ王女が横で真っ赤になってる。
「すいません。立たない男の前で、そういう充実した熱々な関係見せないでくれませんか」
クニヒト大佐が怒った。
「兄弟。俺もせつない」
アポリトも悲しそうだ。
「すまん」
さすがに、俺もそれしか言えない。
「とりあえず、ココドウリロって言われる最強の海兵が出てくるわね」
ミツキが手紙を見て言った。
「え? 果し合いって二人ですんじゃないの? 」
「軍を使っての果し合いみたいよ」
「マジかよ」
俺がため息ついた。
まあ、ぶっちゃけ、めんどくさい。
ひょっとして、この人がやってくれないかなと言う期待とともに、樹老人を見た。
「わしは今回は見てるだけにする。お前がどういう風にするのか興味がある」
樹老人が俺をじっと見た。
「そっかぁ、リヴァイアはどうかな」
俺がアオイに聞いた。
「シーサーペントは今ついて来てる百匹はいけますが、それ以外のシーサーペントもリヴァイアも難しいですね。時間がかかり過ぎます。もし、出来るとしたら、ワイバーンだけです」
アオイが厳しい顔で答えた。
「そうか……」
俺が悩む。
「ミツキさぁ。ヤマトの王宮の連中と連絡取れる? 」
俺が聞いたら、アポリトとクニヒト大佐が震えてる。
「取れるけどいいの? 」
ミツキが心配そうだ。
「ああ、ごめんごめん。少し保険掛けとこうと思ってさ」
俺がアポリト達に謝った。
「あんな目にあったのに、王宮の連中を信頼するの? 」
ミヤビ王女がちょっと怒ったようだ。
「信頼はしてないけど、猛毒だから使いようはあるよね」
俺が背伸びして答えた。




