第六十部 第一章 プロローグ
俺達が紅茶を食堂で飲んでると、あまり寝れなかったのかシェン大帝とシュエとグイゼが入ってきた。
俺を見て慌てて、シュエとグイゼがシェン大帝の背中に隠れる。
ヒモ・モードを警戒してるようだ。
「ああ、御嬢さん、直接息子に触らないと大丈夫だよ」
親父が笑って答えた。
すでに危険物扱いなんで変な笑いが出る。
「大丈夫、大丈夫。昔みたいに適当に光らなくなったしね」
俺も笑いながら言った。
すると、恐る恐るシュエとグイゼが出て来た。
なるほど綺麗だけど、うちの許嫁も姿だけなら負けてないしな。
アマゾネスも美少女多いし。
三番と五番と十二番は俺好みだったけど、口には出せないし。
「なるほど、三番と五番と十二番だな」
親父が笑いながらスマホにメモしてる。
「ひぃぃぃいぃぃぃぃぃぃぃぃ! 」
俺が悲鳴を上げた。
「なんだ、キャバクラを言われるよりはマシだろ」
「夫婦間に火種を入れないで欲しい」
「心配するな。ちょっと、ぺろっと噂が出るだけだ」
「く、くそぅ! 」
俺が立ち上がって悔しそうに親父を見た。
「だから、喋るのやめとけと言っただろうが」
カルロス一世が笑いながら食堂に入ってきた。
本当だ。
これ、やばすぎるな。
その時、食堂の一部が爆発した。
そこに金糸の豪奢な服を着たクアムがいる。
「シェン大帝よ。どうやら負けて降伏した様だな」
クアムが怒ったように吐き捨てた。
「ああ、役者が違ったみたいだ」
シェン大帝はちょっとがっくりしたように答えた。
「どーれ。お仕置きだべぇ」
クアムが爺さんのような声で言った。
あの滝口〇平さんの声だ。
「ちょ、ちょっと待って! 」
俺があまりの事に震える。
「な、何だ? お前さん、どっからラスボスのモデルを持ってきたんだ? 」
親父も衝撃を受けている。
「タ〇ムボカンシリーズだが……」
クアムが困ったように答えた。
「いや、それは違うくね? 」
俺が必死になって言った。
「いや、我々的には、大歓迎なんだが」
国王と宰相とイジュウイン大公が凄いキラキラした目をしてる。
ルイス中尉も何を聞きつけたか、キラキラした目で食堂に入ってきた。
「わしも悪くないと思うが……」
祝融さんがいつの間にか隣に座って笑ってる。
「ほら、歓迎してるらしいぞ」
クアムが国王達を指差した。
「いや、無いわ! ギャグやんか、あれ! 」
「いや、しかしだな。ラスボスとかそんな感じじゃないのか? 」
クアムもむきになっている。
「違うだろ? どぶ泥であの手のギャグはちがうと思う! 」
俺も必死だ。
ただでさえ、孔明とか二宮金次郎とか訳の分からんキャラが居て、これギャグかって感じなんだぞ!
「いや、彼らの変化は俺も驚いたからな」
「こ、心を読まれた! 」
「喋ってると言うに」
くっ、相変わらずノリが悪い。
「え? ギャグじゃ無かったのか? 」
親父の言葉で俺が凍り付いた。
はぁぁああああああ?
何でやねん!




