第五十七部 第八章 エピローグ
ホアンさんは交渉に満足して、妻達であるアマゾネスさん達と帰って行った。
アマリアさんと俺の愛人枠のアマゾネスさんはまだ残ってる。
これで、実際にはホアンさんがアマゾネスを差配するようにはなるが、勇猛なアマゾネス達も俺の傘下に近い形になることになった。
いろいろと貿易など、便宜は取るつもりだ。
そして、やはりと言うか、予想していた通りカザンザキスさんが動いた。
我々はそれをすでに予期しており、準備は万端だった。
と言うか、それを狙っていたのだ。
愚かにもニコライ君は用事が出来ましたとメモ紙をフリゲート艦の艦長室にアナスタシア宛てに残して、脱出用のボートでカザンザキスさんから渡された金貨を持って逃げた。
だが、それこそ罠なのだ。
アマゾネスを舐めすぎだ。
あっさりと攫われて、連れて行かれたようだ。
流石、アマゾネスはプロだ。
脱出用のボートは陸につないで、ちゃんと上陸してどこかへ行ったようにしてある。
アナスタシアと皆でフリゲート艦と軽空母で捜索して無人のボートが見つかった。
これで、ニコライさんは上陸して、どこかへ失踪で終わりだ。
だが、アナスタシアはいずれ俺の妻だし、後でこの事を内緒にしてやった事がしこりになっても困る。
だから、こう言った。
「アマゾネスの旦那さんが足りないらしいから、ニコライさんなんかどうかな? なんて冗談めかして言っちゃったんだよね。ホアンさんにまさかと思うけど、本気にしてアマゾネスにニコライさんが攫われてないか確認してみるよ。大丈夫とは思うんだけどね」
と笑いながら答えた。
「え? 何で? 」
とアナスタシアは答えたが、ニコライさんはハンサムだからさで凄く納得してた。
勿論、家政婦は見たじゃないけど、カザンザキスさんが柱の陰で凄い顔して話を聞いていた。
まあ、ぶっちゃけ、これでニコライさんは帰ってくるだろうけど、それは嫁さん達を連れてになりますよって事だ。
そして、カザンザキスさんから俺がアマゾネスに差し出しすと聞いたと、ニコライさんがアナスタシアに訴えても冗談だったのにで終わりだ。
良い話だ、本当に良い話だ。
笑いが止まりません。
この事で、俺達の結束はさらに強まった。
まあ、アポリトには、ああ言えば止まるからと後で内緒で説明したらほっとしてた。
彼に関しては義兄弟だし、女性恐怖症と言うすでに我々の仲間なので、無理をする事は無い。
どぶ泥に浸かった人間は仲間を大事にするのさ。
後はスカーフェイスだけだけど、まあ、彼は祝融さんがいろいろと弱点を知ってるらしく、恐らく一網打尽だろう。
人類変態化計画の前準備は順調だ。
皆、不幸になっちゃえ。
これこそが原動力なのだ。




