第五十六部 第九章 またしても孔明
軽空母に乗ってくつろいでる時にヨシアキ大佐が来た。
勿論、ちょうど許嫁達に土下座してる最中なので助かった。
無線でチアンウェイから緊急の連絡があったそうな。
話を聞いて激怒して、孔明を探すために部屋を飛び出した。
「孔明! 孔明はどこ行った! 」
俺が探しながら、食堂に飛びこんだ。
「とうちゃん、どうした? 」
食堂で許嫁達のお説教タイムの間に待っていた鳳雛が俺の肩に止まる。
「孔明は? 」
俺が鳳雛に聞いた。
「どうなされました。我が君」
孔明がすっと目の前に現われた。
「お前、余計な事するなって言ったよな! 」
俺が怒鳴りつける。
「はははは、私の策が嵌りましたか」
孔明が羽根で出来た扇子で口を隠して笑う。
「嵌りましたかじゃねーよ! 何で<終末の子>に意見したら神の怒りが落ちるとか噂を広げるんだよ! 」
俺が孔明を怒鳴りつけた。
「いやいや、コンチュエは水稲を作ってる国でして、水稲を作る国は大概にして、雷とかは神の怒りですからな」
「馬鹿じゃねぇの? おかげで反対者が<終末の子>様に失礼な事をしたと頭を下げて、どんなやり方でも構わないから、蚩尤を倒してくださいって言ってるらしいんだが! どうすんだよ! 俺がやる事になったじゃねーか! 」
俺が怒鳴る。
「どうせ、我が君がやるのですから」
「先送りできなくなったじゃねーか! 」
俺がさらに孔明に怒鳴る。
「ああ、先送りは大切だよな」
親父が近くで紅茶を飲みながら答えた。
「そのとおり、先送りこそ、政治の根幹だからな」
国王も頷く。
「政治とは事なかれ主義ですからな」
宰相も笑って頷いた。
横でカザンザキスさんがええってドン引いた顔をしてる。
「いやいや、それじゃ困るから」
いきなりチアンウェイがテレポートして来た。
「って、テレポートして来たら、無線の意味がなくない? 」
「いや、結構力を使うんだが、女帝が念押しして来てくれと言うから」
ほげぇぇぇぇぇぇぇ。
完全に性格を読まれてるじゃん。
「頼むぞ。お前に任せるしか、本当に方法が無い」
チアンウェイが必死に俺に頼む。
あああああああああああああああ、碌な事が無い。
「いや、お前も地下の地図見たよな」
親父が聞いてきた。
「ああ、やばいよな。完全に待ち伏せ型だ」
俺が答えた。
「厄介だな。あれほど強いのに待ち伏せされるとは」
親父も珍しく深刻な顔してる。
分からんでも無い。
地下の道がジグザクに作られていて、銃とか直線的な攻撃を防ぐだけでなく、伏兵も起きやすくなってる。
所謂、塹壕戦なんかで使うやり方で作ってあるのだ。
爆破しても道がジグザグなんで防がれてしまう。
凄く厄介だ。
だから、やりたくなかったのに。




