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全部社会が悪いんやっ! 〜ある救世主として召喚された男の話   作者: 平 一悟
人物紹介は470から475のあたりにあります。
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第五十六部 第四章 懇請

「頼むから、頼むから、少しソフトな変態路線で行ってほしいんだが」


 カルロス一世が真剣な顔で俺に頼む。


「いやいや、問題はそこですか? 」


 カザンザキスさんが慌てて答えた。


「いや、だって、元々<終末(おわり)の子>で絶対者なのに、その上で現実的にやられたら世界は変態にしかならないでしょ」


 カルロス一世が困惑しまくった顔で答えた。


「え? 絶対者なの? 」


 ニコライさんが横で驚いてる。


「ええ、絶対者です」

 

 アオイが笑顔で答えた。


 みるみるリア充のはずのニコライさんの顔が歪んでいく。


「あ、あのノリを俺にもやれと……」


 絞り出すようにニコライさんが答えた。


 ニコライさんが震えてる。


「そんなに、嫌なの? 」


 俺が聞いた。


「いや、ちょっと、私には向いてないなぁ」


 震えながら絞り出すようにニコライさんが答えた。


 まあ、最初はそうだよね。


 でも、すぐに慣れるよ。


 ここはそんな人間ばかりだし。


 結局、皆、そうなるんだから。


 俺がニコリと笑った。


 ニコライさんが顔面蒼白になっている。


「お前、ホラーかよ」


 カルロス一世が凄い顔してる。


「喋ってる、喋ってる」


 クニヒト大佐が笑いながら答えた。

 

 あ、喋ってましたか。


「ちよっと、私の家の専属の兵士さんなんだから、苛めないでよ」


 アナスタシアがちょっと困ったように俺に話す。


「いや、別に一般論を話しただけなんだけど」


「余計怖いわ」


 樹老人(じゅろうじん)さんが突っ込んだ。


「まあ、そう言う世界だよな」


 諦めたようにカルロス一世が呟いた。


「いやいや、認めちゃうんですか? 」


 カザンザキスさんが困ったように答えた。


「いずれ、貴方もこうなるんですよ」


 カルロス一世が哀しい目をしてカザンザキスさんを見た。


 カザンザキスさんが凄い顔してる。


「何か、ホラーみたいだからやめて欲しいんだけど」


 俺がカルロス一世とかにお願いした。


「「「「いや、お前だろ? 」」」」


 何と言う不本意な話だ。


 そもそも俺に罪は無い。


 全部、社会が悪いんや。


「喋ってる。喋ってる」


 親父が横で突っ込んできた。


「まあ、社会が悪いよね」


 国王が深く頷いた。


「そうそう、全部社会だよ」


 祝融さんも頷いた。


 社会って便利だ。


 本当にそう思う。


「あ、あの、そろそろ会議なんですが……」


 入口で困ったように衛士さんが立っている。


 時間がたつのが早いなぁ。

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